◎ことしは日韓友情年、友だちへの第一歩
韓国の小学生が千葉県館山市でホームステイ
…史跡見学や音楽で交流
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「日韓友情年」のことし、さまざまな形で日本と韓国の小学生の交流が行われました。壁新聞の交換やホームステイを通じて、おたがいのことを知り始めた子どもたち。「もっと知りたい」と、友情をはぐくむ第一歩が、ふみ出されているようです。(中田美和子・濱田哲)
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千葉県館山市では夏休み、韓国の小学生が日本の子どもらの家庭に泊まり、地元の小学生と史跡見学や音楽などで交流しました。
交流をとりもったのは、館山の史跡などを紹介し保護する民間団体「南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム」。やってきたのは、浦項(ポハン)市の浦項製鉄西初等学校の3〜5年生20人です。3泊のうち2泊ヲホームステイしました。日本側はステイ先の小学生ら約20人が参加しました。
東京湾の入り口に位置する館山には、海外との交流を示す史跡や、戦争中につくられた軍事的な史跡が多くのこされています。日本や韓国など4つの国の文字で「南無阿弥陀仏」と刻まれた約400年前の碑や、60年あまり前の戦争中に使われた地下壕などを、日韓の子どもたちでいっしょに見学しました。
山口瑛くん(那古小6年)は、身ぶり手ぶりで、戦争中に飛行機をおさめていた場所のことを説明しました。「本当はこんな戦争なんてあってはいけない。むかし日本は韓国に悪いことをしてしまったけど、いろんなものを見て、日本ってけっこういいところだと思ってもらえたらいいな」と思います。
同じ学年の子が家に泊まった渡辺里絵さん(北条小3年)は「ことばがちがわなければ、日本の友だちとまったく同じ感覚で話せる感じだった」。飯沼日沙子さん(西岬小6年)は「韓国のニュースが、前よりも気になるようになった。今度はうちに泊まった子の家に行ってみたい」。
最後には、地元でとれる「ウミホタル」をテーマにした歌を全員で合唱しました。フォーラム事務局長の池田恵美子さんは「ここでまいた友情の種が、数十年後にどう開くか楽しみです」と話しています。
平和の組曲合唱 懐中電灯の代替に軍事利用されたウミホタル
秘話題材に来月3日 館山市民ら
(毎日新聞 2005.8.31.)
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戦時中の千葉県館山市で、青白く光るミジンコの一種「ウミホタル」の光を本土決戦の夜間戦の明かりに利用しようとした秘話を題材に、合唱組曲「ウミホタル~コスモスブルーは平和の色」が完成した。歌は終戦直後に連合国軍が館山に上陸し、軍政を始めた9月3日にあわせて同市の県南総文化ホールで披露する。
体細胞中の物質が海中の酸素と反応して発光する体長約3ミリのウミホタルは、太平洋戦争末期に懐中電灯の代替として軍事利用が研究された。館山市では子供たちが採取を命じられ、終戦の前捻の1944年夏、同市の安房中(現安房高)の生徒だった利渉義宣さん(74)は「ひもにブリの頭をつけて海に垂らすと、たくさん寄ってきた。採取の目的は深く考えなかった」と振り返る。
歌は03年夏に同市を訪れた東京都北区に住む作詞家、大門高子さん(60)がウミホタルを巡る秘話を聞き、「戦争と今をつなぐ歌を作りたい」と作詞。「ぞうれっしゃがやってきた」で知られる音楽家、藤村記一郎さん(53)=愛知県日進市=が「平和の歌として全国に広めたい」と作曲を担当し、「夕日の海」「戦場のウミホタル」などからなる演奏時間約35分の合唱組曲に仕上がった。
合唱には、館山市民をはじめ東京都内のアマチュア合唱団などから約150人が参加する予定で、館山二中の鈴木喬子さん(13)は「戦争を考えつつ、明るく歌いたい」と話している。問い合わせは実行委員会(電話 0470・24・0224)。
【森禎行】