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「虹のかけ橋〜ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流」開催にあたり@

愛沢伸雄=NPO法人南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム理事長

私たちNPOはこの地の魅力を掘り起こし、「いまある」ものの歴史・文化を活かしたガイド事業を通して、「平和・交流・共生」の理念が生きる地域づくりを目ざしています。

その想いを共感する人びとの出会いによって、安房の宝であるウミホタルとアワビに隠された歴史が明らかになり、いま、新しい地域文化が生まれようとしています。

それは、「虹のかけ橋〜ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流」として実を結ぶことになりました。館山発祥の合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』の初演コンサートを第1部、サンディ・ライドン氏(カブリオ大学名誉教授)によるスライド講演「太平洋をわたった房総のアワビ漁師たち」を第2部として、9月3日(土)13時半より南総文化ホールで開催します。

●合唱組曲『ウミホタル』

戦時中、館山の子どもたちは軍事目的のために、ウミホタルを取らされていました。館山の海に輝く小さな生物にまつわる平和祈念の合唱組曲が、作曲家藤村記一郎氏と作詞家大門高子氏から、私たち市民にプレゼントされました。

この楽曲に心を動かされた百数十名が合唱団を結成し、初演に向けて練習に励んできました。21世紀にふさわしい平和の贈り物として、安房の地から世界に発信していくことを私は願っています。

●60年前の9月3日

1945(昭和20)年、東京湾上のミズーリ号で降伏文書調印式が行なわれた翌9月3日、約3,500名のアメリカ占領軍が館山へ上陸しました。この上陸シーンの写真は、私たちNPOが作成したガイドブック『戦争遺跡』の表紙になっています。

昨年、館山市在住の溝口かおりさん(英会話講師・通訳)を通じて、この冊子を受け取ったライドン氏は、

「アメリカでは、8月15日と9月2日で戦争の歴史は終わっている。私の研究テーマに関わる南房総の館山に、アメリカ占領軍が上陸したということは知らなかった。この知られていない歴史的出来事から60年目にあたる2005年9月3日に、戦後日本のスタートとなった館山で、平和を考える集いを日米合同でやれないだろうか」

というメッセージを私たちに伝えてきました。この申し出により、今日の催しが生まれました。

● アワビがむすぶ日米交流

明治期に、小谷源之助・仲治郎兄弟たち安房のアワビ漁師たちは、この地からカリフォルニア・モントレーにわたりました。ライドン氏はその研究をしている歴史学者ですが、日本でも館山市在住の水産学者大場俊雄氏が約40年前から同様の研究をしています。

近年では、安房の人びとによって、さらに調査が進められ、新しい資料や写真が発掘されてきました。戦時中、アメリカでは日系人が強制収容所に隔離された際に、写真や手紙などは廃棄、焼却されてしまい、ほとんど残っていないそうです。打合せのために来日したライドン氏は、安房に残る貴重な資料や写真を見てとても驚いていました。

戦争によって一度は途切れた日米民間交流が、いままた新たに始まりました。同じ想いを分かちあった仲間たちによって、冊子づくりが進められています。また、資料パネル展も、たてやま夕日海岸ホテルで開かれています。

今回、ライドン氏とともに42名の人びとが来日し、安房に4泊、京都・奈良に8泊、安房に再訪し4泊します。ともに「地域の歴史から世界をみる視点」をもつ私とライドン氏は、お互いの地域を学び合うことの重要性と可能性について話し合いました。

一行は、アワビダイバーのふるさと白浜・千倉、館山の戦争遺跡やハングルの刻まれた「四面石塔」、八幡祭礼、鴨川の大山千枚田、鋸南の鯨塚…などを見学し、南房総と世界のつながりや日本の歴史・文化を学ぶ予定です。

● 太平洋にかかる橋

9月3日には、カリフォルニア生まれの堂本暁子千葉県知事とライドン氏が、国境を超えた相互理解と友好の歴史を築いた先人に学び、新しい国際交流のあり方を語り合います。

「戦後60年」の今夏、この日米交流が、安房の地から太平洋にかける新しい橋となることを願い、多くの皆様のご来場をお待ちしております。入場は無料です。


案内チラシ
05年8月31日 6,693

特定非営利活動法人(NPO) 安房文化遺産フォーラム

旧称:南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム(2008年5月に現在の名称に変更)

〒294-0036 千葉県館山市館山1016-1さらしな館

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