!! 見る 聞く 学ぶ 集う 安房国(あわのくに)再発見 !! 千葉県・南房総・館山まるごと博物館

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◎心の内描いた水彩画

愛沢さんの回個展あすまで枇杷倶楽部


統合失調症の療養をしながら絵を描き続けた館山市の愛沢綾子さんの回顧展「わたしは画家になりたい」が、南房総市富浦町の枇杷倶楽部ギャラリーで開かれている。

愛沢さんは、日本女子大学心理学科に入学したが、在学中の2004年に統合失調症を発病。自宅で療養生活を送る中で、05年から絵を描き始めた。小学生のころ絵の指導を受けるなど下地があり、療養中に水彩で多くの絵を描き、二度にわたって個展を開いたが08年7月、24歳の若さで他界した。

回顧展は、綾子さんが亡くなってから一周忌を過ぎたことから、自宅に残る絵を多くの人に見てもらおうと、父親の伸雄さんが開いた。

展示されているのは、抽象画、人物画、風景などおよそ50点。いずれも小品だが、絵の具を溶かずに、そのまま塗りつけて描いた顔、自然をイメージした静と動を感じさせる抽象画など、内面で感じたままを表現した作品が鑑賞する人の心に強く印象づける。作品展は、あす23日まで。

09年9月22日 6,027

房日新聞2009.11.10付

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米国でのアワビ漁伝える資料 鈴木さんがミニ博物館

南房総千倉 別宅改造し収集資料展示

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明治から昭和にかけて、アメリカのカリフォル二ア州モントレーに渡り、アワビ事業を開拓した南房総市千倉町のアワビ漁師たちを、写真や文章などで紹介した「まちかどミニ博物館」が、同市千倉町千田の民家にお目見えした。NPO法人安房文化遺産フォーラムの副代表を務める、同市千倉町千田在住の鈴木政和さんが、別宅の内部を改造してオープンさせた。今後、土日曜日と祭日に開き、一般の人たちに見てもらう。無料。

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09年11月10日 8,844

◎絵を通じ生き方見つめて 館山

無言館の窪島氏が講演

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太平洋戦争末期、画家を志しながら学徒出陣などで戦場に送られて命を落とした戦没画学生の作品を収蔵・展示する美術館「無言館」(長野県上田市)の窪島誠一郎館主の講演会が10日夕、館山市の県南総文化ホールであった。

窪島氏は「画学生らは反戦を訴えるために作品を描いたのではない。妻や恋人、家族など、愛するものを描くことで自分の命を描き、生きる証としたのだ」と指摘。戦後六十数年を経て日本人が大切なものを失い、子が親を、親が子を殺すという時代に「反戦平和という4文字だけでなく、自分の生き方を振り返る場所として無言館を見ていただきたい」と訴えた。

また「人間は感動の記憶を他者の命に伝えていく義務がある」と強調。「自分にしか歌えない歌、描けない絵」とともに人生を歩んでいこうとメッセージを送った。

窪島氏は1941年、東京生まれ。印刷工や店員、酒場の経営などを経て、79年に大正期の洋画家、村山槐多など夭折画家の作品を展示する「信濃デッサン館」を上田市に設立した。97年にはデッサン館の隣接地に「無言館」を設立。異色の美術館として注目され、2005年に菊池寛賞を受賞した。

講演で窪島氏は▽村山槐多の生涯▽信濃デッサン館設立の経緯▽戦没画学生たちの遺作収集に執念を燃やした画家、野見山暁治氏との出会い▽画学生らの作品に込められた思い——などを切々と語った。15年前、なぜ遺作収集をする決断をしたのかという理由については「あの時の自分の気持ちがよく分からなくなることがある。戦争とかはどうでもよくて、私の50年の人生を考えていたのかも」と赤裸々な思いを口にした。

講演会は、同館を訪ねた鋸南町の画家、溝口七生さんや年金者組合安房支部長の橋本芳久さんらが実行委員会を組織して企画。会場の小ホール(300人収容)は満員となり、入場できなかった約30人が別室のモニターで講演を聞いた。


当日配布プログラムはこちら。

来場者の感想はこちら


房日サイトはこちら。

09年7月12日 6,246

(房日新聞2009.12.1付)

■手づくり甲冑の立ち回りに大きな拍手

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NPO法人安房文化遺産フォーラムが主催する「戦国こすぷれ大会」が29日、館山市の城山公園で行われた。武将や姫君、戦国アニメのキャラクターなどに扮した「戦国コスプレイヤー」約20人が首都圏や関西圏から集合。地元館山の「手作り甲冑隊」も合流し、同じ場所で開かれた「里見市民まつり」(産業まつり)に花を添えた。

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09年12月1日 8,523

房日新聞 2009.9.29付

◎各界から160人が祝福

..安房文化遺産フォーラム、

..和島誠一賞など受賞祝賀会


館山市のNPO法人「安房文化遺産フォーラム 」(愛沢伸雄代表)の「和島誠一賞」受賞を記念する祝賀会が9月26日、同市のたてやま夕日海岸ホテルで開かれた。金丸謙一館山市長、石田三示衆議院議員をはじめ地元政界、経済界、NPO、文化財保護団体などから約160人が出席。全国的にも権威ある同賞受賞と、長年にわたり地元文化財の発掘、保存・活用に尽力してきた同フォーラムの功績をたたえた。

同フォーラムは、2006年に「あしたのまち・くらしづくり活動部門」で内閣官房長官賞、昨年には千葉県文化の日功労賞を受賞。今回で「トリプル受賞」となったことを機に、里見流家元の里見香華さんら43人が発起人となり祝賀会が企画された。

祝賀会では、千葉歴史学会会長の佐藤博信・千葉大教授が「里見氏の遺跡、戦争遺跡などが同フォーラムの民間の人たちによって守られた。これが高く評価された。この地に地下水のように流れている『民間力』を感じる」とあいさつ。金丸市長は「宮城の戦争遺跡、赤山の見学者は増えており、市でも駐車場を拡充した。ともに協働のまちづくりをしていきましょう」とエールを送った。

愛沢代表は「戦争遺跡。稲村城跡とも、当初は周囲の風当たりが強かった。だが、市民が主役になった文化財保存、地域づくりを忠実に目指してきたつもりだ。活動を続けるのは厳しい面もあるが、きょうを機に、また(心を)奮い立たせて頑張りたい」とスピーチした。

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09年9月29日 5,736

◎米軍上陸時のフィルム上映

…9月3日、館山地区公民館で当時の目撃者募る

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館山市のNPO法人「安房文化遺産フォーラム」(愛沢伸雄代表)は9月3日午後1時半から同市館山の館山地区公民館で、終戦間もなく館山に上陸した米占領軍の模様を記録したフィルムの上映会を行なう。

9月3日は昭和20年、米陸軍の3,500人の部隊が、館山に上陸を始めた日。同フォーラムは、所有する貴重な上陸シーンの映像を今回初めて一般向けに上映。この機会に「当時の模様を目撃した人や、終戦直後の館山の様子をよく知る人たちの新たな証言を募り、歴史の掘り起こしに役立てたい」(池田恵美子事務局長)としている。

上映するのは米軍が日本占領時の模様を撮影し、米公文書館に保管されていたフィルムの一部。20年ほど前に愛沢代表が公開部分を業者を通じて購入したが、その中に館山、房州の模様が映っている部分が約20ほどあった。

フィルムには▽米艦船が館山海軍航空隊の施設に接岸し、兵員とともに荷物や自動車が荷揚げされている様子▽館山駅に集合した米兵が、列車で移動する様子—などが記録されている。上陸地点の高の島周辺で米軍の様子を遠巻きにうかがう住民、子どもや、館山駅で改札を通る女性の姿なども映っている。

当日はフィルム上映のほか、愛沢代表が「終戦直後の館山での直接軍政」などについて、これまでの歴史調査の概要を報告する。

同フォーラムによると、マッカーサー将軍が厚木に到着した翌日の昭和20年8月30日、館山と富津岬には米軍の先遣隊が上陸。9月2日の戦艦ミズーリ号での降伏文書調印を経て、3日には館山市に占領軍の第1陣が上陸した。市内には日本外務省の出先機関として「終戦連絡委員会」が置かれ、4日間にわたり米軍の「直接軍政」が敷かれた。

09年8月26日 5,588

戦没画学生の遺作を収集・展示

長野の「無言館」を応援

館山・宮沢書店、著書そろえフェア

「郷土と戦争考える機会に」

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館山市北条の老舗、宮沢書店(宮澤治海社長)本店の郷土書籍コーナーで「無言館フェア」を開いている。10日に市内で地元の美術や平和団体などが催す長野県上田市の無言館主、窪島誠一郎さんの後援会を盛り上げるのがねらい。同店は常設のこのコーナーで地元の人たちが著した郷土史の本などを並べて応援している。(福島五夫)

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今回のフェアは、戦没画学生たちの遺作の収集・展示で知られる無言館建設までの経緯や展示されている遺作の解説、実父の水上勉とのいきさつなどを書いた窪島さんの著書が網羅されている。

フェアでは「傷ついた画布の物語」(新日本出版社)や「遺された画集」(平凡社)など窪島さんの著書が積まれている・知らされていなかった実父に会うまでを回顧した「父への手紙」(筑摩書房)、講演のポスターも並べられている。

同コーナーは、長年売れ行きに左右されることなく続けていたが、最近ちょっぴり変化も出てきた。

南房総の戦争遺跡の調査保存などに取り組んでいるNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)が出した「あわ・がいど」シリーズ(1〜4)などは、皮切りの「戦争遺跡-南房総に戦争の傷跡を見る」が同店だけで約1500部も売れた。佐久間秀雄童話集は新聞などに取り上げられたこともあって初版第1刷を売り切り、同店が第3刷を発行した。

「地域文化の育成にこだわってきたかいがあった」と宮澤社長。担当の吉田芙美子さん(61)と近藤洋子さん(58)も「お客さんが『郷土史コーナー』に足を止めてくれるだけでうれしい」という。

南房総には館山、洲ノ埼両海軍航空隊や館山海軍砲術学校などがあり、戦争に行くことを宿命づけられた若者たちが全国から集められた。この中には木更津出身で館山海軍航空隊にいた興梠(こうろぎ)武さん(享年28)や館山海軍砲術学校にいた小柏太郎さん(同26)など、無言館に遺作が収められている戦没画学生が何人もいる。だから窪島さんの著書も郷土(関連)書籍の扱いにしたそうだ。

吉田さんは「窪島さんの講演は、私たちの郷土と戦争の関係を考えるよい機会だ」という。

窪島誠一郎氏の講演会は10日午後6時から同市北条の県南総文化ホール小ホールで。500円。当日は会場で同店が窪島さんの著書を販売し、サイン会もある。

09年7月8日 5,888

「しんぶん赤旗」日曜版

2009.1.18付


戦国武将ブームの現場

-信長、家康よりも石田三成、直江兼続- 戦国武将人気

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上杉謙信、真田幸村、伊達政宗、石田三成・・・。若い女性に戦国武将が大人気です。書籍やグッズがよく売れ、各地でイベントが開かれ、戦国ロマンツアーも。何が魅力なのか。ブームの現場を歩いてみました。

《玄間太郎記者》

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■コスプレ 手作り80着「変身したい」

千葉県にある館山城跡。『南総里見八犬伝』(曲亭馬琴)のモデル、里見氏の居城です。 ここで昨年、春と秋の2回 「戦国コスプレ(仮装)大会」が開かれました。全国のコスプレイヤーと地元の手作り甲冑(かっちゅう)武者が80人余参加。殺陣の演武などでにぎわいました。主催は、里見氏の城跡保存や活用に取り組んでいるNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)。

コスプレイヤーの大道寺鎌さん(31歳、会社員)に聞きました。

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-なぜ戦国武将?-

「子どものころからアニメやゲームが大好きで、何かに変身したいと思いました。高校生のときは歴史が得意で、戦国武将に興味をもち、いろいろ調べました。一本筋を通した石田三成などの生き方にひかれました」

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-コスプレ歴何年?-

「14年。武将のコスプレ、約80着作りました。手間ひまがかかり、神経を使うので、完成した瞬間はほんとにうれしい」

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-武将の地へも?-

「ええ、コスプレ作りの勉強のために。上田城や大坂城、関ヶ原にも行きました」

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■専門店 来店者6割 10代、20代の女性

東京・神田小川町。ブームを象徴するような店があります。その名も「時代屋」。 1階は、1万5千冊余の書籍(新刊・古書)。作家400人余の時代・歴史小説、歴史専門書をそろえています。NHK大河ドラマ「天地人」コーナーもあります。 2階はグッズ。戦国武将Tシャツやのぼり旗、ストラップ、合戦ゲーム・・・。その数約2万点。 土曜・日曜は6割が10〜20代の女性客です。 2階には、戦国メニューの「茶屋」も。ここで2〜3時間“武将談義”をしたり、待ち合わせて武将の地へ旅行したり。

このブームは、どこからきているのでしょう。女将(おかみ)の宮本みゆきさん(33)は、こう見ています。

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店に若い女性が増えたのは、戦国もののゲームソフトや、ジャニーズ系タレントが出演するNHK大河ドラマなどの影響ではないか、と。

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グッズの売れ筋などから見えてくる特徴は?

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かつては織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった“勝ち組”の英傑が人気でした。が、今の若い女性は、真田幸村や石田三成など“負け組”の武将、さらには伊達政宗の懐刀・片倉小十郎や上杉景勝の若き参謀・直江兼続(かねつぐ)といった2、3番手の武将に心を寄せているといいます。

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男性が合戦の戦略・戦術に関心を向けるのに対し、女性は?

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「戦国武将に理想の男性像を求めている、とも違うんですね。死を覚悟した鮮烈な生き方、個性豊かな人間像にひかれるようです。図書館で調べ、本を買い込み、すごい知識です」。そして楽しそうにこうも。「一度ハマったらキケンです」

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○著者番付(時代屋)

横綱 佐伯 泰英 (『陽炎の辻』居眠り磐音シリーズなど)

大関 司馬 遼太郎 (『竜馬がゆく』、『功名が辻』、『夏草の賦』、『国盗り物語』など)

大関 池波 正太郎 (『鬼平犯科帳』、『剣客商売』、『真田太平記』など)

関脇 北方 謙三 (『三国志』、『水滸伝』など)

小結 風野 真知雄

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○人気武将

1 真田 幸村

2 伊達 政宗

3 石田 三成

4 直江 兼続

5 上杉 謙信

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■関ヶ原 事前に勉強 史跡めぐり

戦国時代の合戦といえば、やはり“天下分け目の関ヶ原”(岐阜県)。東軍・徳川家康と西軍・石田三成の激戦地です。古戦場を訪ねる若い女性がふえています。

「みなさん、よく勉強しています。ガイドを必要としないほどです。戦国武将への興味を機に、歴史への関心を広げてくれればうれしいですよ」

関ヶ原町歴史民俗資料館の高木優栄館長です。

関ヶ原には史跡が点在。女性が巡るのは、主に三成軍の陣跡や墓です。 笹尾山にある三成の陣跡。竹矢来を二重に巡らし、前面に島左近、中間に蒲生郷舎(がもう・さといえ※赤旗では「いえさと」とあったが誤植だろう)を配置。三成は山頂で指揮。が、たたかいに敗れ、敗走中に捕縛され、京の六条河原で処刑されます。

三成はどんな思いで死んでいったのか。悲運の武将にだれもが思いを馳せるのでしょう。

石田方の大谷吉継(よしつぐ)。人気の武将の一人です。ハンセン病を患い、戦場では輿(こし)に乗って指揮。その大谷の墓は、杉木立の中。墓前に菊の花が手向けられていました。

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佐賀市からきた森祐子さん(24)は、メモ帳を手に史跡を歩いていました。岐阜市内で地元のサガン鳥栖(とす)のサッカー試合を見た後、関ヶ原に足を延ばしました。

関ヶ原の合戦は、教科書で知ってはいました。が、どんな武将たちの、どういうたたかいだったのか。現地を歩いて学びたかったのです。

「勝っても負けても、戦国武将にはさまざまなドラマがあったんですね。きてよかった。大谷吉継、なんだか好きになりそう」

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識者こうみる

愛のカブトを政治にも -NHK大河「天地人」の原作者、作家 火坂 雅志さん-

戦国武将には、強い覚悟、凛々(りり)しさがあります。女性たちは今の男性とくらべ、武将に感情移入するのかもしれません。

例えば、『天地人』の主人公・直江兼続。「長高く、姿容美しく、言語晴朗なり」と伝えられています。 兼続に人気が集まるのは、彼が貫く「義と愛」からでしょう。乱世の中の謀略、裏切り、「利」のみの行動原理。が、兼続は「利」より「義」(道義)を重んじました。

兼続は兜(かぶと)の前立てに「愛」という文字をかかげました。「愛」とは人を思いやり、慈しむ心です。たとえ不利益をこうむっても弱者をかばい、助けることなんです。「愛」は、今の政治家にもっとも欠けています。若い女性たちはきっと、そこに兼続への思いを重ねるのでしょう。

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想像膨らむサブキャラ -時代劇コラムニスト ペリー・荻野さん-

アイドルの新陳代謝がすごく緩いんです。かげりがあるといっても、いまだにSMAPです。スーパースター・ヒーローが出ていません。 昔のような時代劇の人気シリーズがなくなり、若い女性が時代劇から離れていました。でも、ゲームやテレビの大河ドラマに戦国ものが現われてきた。戦国武将は、いつも死と隣り合って、波乱万丈。そんな生き方が、新鮮だったのでしょう。 そのうち“自分だけのアイドル”がほしくなる。有名な武将ではなく、サブキャラクターに心を寄せ、自由に想像をふくらませていくんです。 それに戦国時代はファッショナブルです。直江兼続の兜には「愛」をかたどった前立てが付けられ、甲冑の下の着衣も美しい。女性はストーリー性とファッション性にとても敏感なのです。

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09年1月18日 3,741

鋸南町在住の画家溝口七生(かずお)さん(73)や美術家グループ「安房・平和のための美術展」有志らが組織した実行委員会は「戦没画学生たちが いまに遺す いのちの叫び」をテーマに、窪島誠一郎・無言館館主の講演会などを10日、館山市の県南総文化ホールで開催する。

無言館(長野県上田市)は、戦没した画学生の遺作などを展示する美術館。第二次世界大戦に出征し、亡くなるまで命を輝かせ、キャンバスに向かい続けた画学生たちの無言の作品300点余りを展示している。

館山市には戦時中、首都防衛のため館山海軍航空隊や砲術学校が置かれていた。実行委員会は「軍都」とも呼ばれた同市で、平和に生きることの大切さを考えてもらおうと講演会などを計画した。

窪島館主は東京都出身で、印刷工や店員などを経て作家になった。1995年、戦争で美術学校の仲間を失った画家野見山暁治さんとともに全国の戦没画学生の遺族を訪ねて遺作を譲り受け、97年に無言館を設立。著書には実父の作家水上勉さんとの再会をつづった「父への手紙」(筑摩書房)などがある。

演題は「無言館からのメッセージ」で、10日午後5時半に開演。チケット(500円)は南総文化ホールで販売している。 (福原康哲)

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東京新聞サイトはこちら。

09年7月5日 4,654

◎版画家・秋山巌氏が作品展、1月にトークショーも

…落下傘部隊・棟方志功の弟子・山頭火の世界…

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種田山頭火の俳句やフクロウなどの動物、民話を主な題材とし、作品がロンドンの大英博物館にも所蔵されている版画家・秋山巌氏(88)=松戸市在住=の作品展とトークショーが、館山市で1月に開かれることになった。

秋山氏は昭和16年(1941)、海軍落下傘部隊の隊員として館山海軍航空隊で3か月間の訓練を受け、太平洋戦争開戦時の作戦に参加した。これまで戦争体験を外部に話すことはなかったが、TBSテレビのドキュメンタリー番組の取材を受け、当時の模様を証言したことをきっかけに「思い出の地」館山での作品展開催を決めたという。

2つの企画を進めている館山市のNPO法人安房文化遺産フォーラムの池田恵美子事務局長は「戦中戦後を通し、落下傘兵から版画家として生きた秋山先生の生きざまは、閉塞した現代社会に生きる私たちにも、大きな気づきと祐樹がもらえる気がします。1人でも多くのと分かち合い、まちづくりのヒントにしたい」と話している。

秋山氏は大分県竹田市出身。開戦時は横須賀鎮守府第三陸戦隊としてティモール島のクパン(現・インドネシア)に落下傘で降下。さまざまな作戦に参加し、ラバウルで終戦を迎えた。

戦後は美術の道に進み、棟方志功や坂本繁二郎に師事。独学で民族学、仏教学、俳詩、水墨画などを学び、山頭火の世界を描いてきた。

作品展開催を決めた秋山氏は14日から3日間にわたり、65年ぶりに館山を訪問。安房神社にある「落下傘部隊戦没者慰霊碑」を参拝した。

同部隊の総勢1,500人のうち、生きて終戦を迎えたのはわずか200人だったという。関係者は「戦争体験を語ったことで若い日の思い出がよみがえり、館山へ行きたいとの思いが強くなったようだ」と話した。

作品展は1月19日から25日まで、同市の大巌院で。入場無料で、木版画約30点が展示される予定。トークショーは1月23日午後7時から南総文化ホール小ホールで。入場料500円。チケットは同ホール、宮沢書店、松田屋などで今週末ごろから発売される。

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(房日新聞2009.12.22) …催しの詳細はコチラ

09年12月22日 10,402

特定非営利活動法人(NPO) 安房文化遺産フォーラム

旧称:南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム(2008年5月に現在の名称に変更)

〒294-0045 千葉県館山市北条1721-1

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