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青木繁2作一つの下絵二分?

「海」「海景」つながる構図

館山のフォーラム、島田さん新説

(朝日新聞2014.7.28)

画家青木繁は館山市布良(めら)で代表作「海の幸」を描いた1904(明治37)年、海を題材に別の油彩2点を描いているが、実は一つの下絵を左右に二分して仕上げた可能性が出てきた。同市で27日にあった、青木繁「海の幸」フォーラムで新たな見方として紹介された。

「海の幸」制作現場の小谷家住宅の保存・公開を目指す「保存する会」運営委員の島田吉廣さん(64)が紹介した。作品は「海」(36・5センチ×73センチ)と「海景(布良の海)」(36センチ×373センチ)。石橋財団の石橋美術館(福岡県久留米市)、ブリヂストン美術館(東京都中央区)の所蔵だ。どちらもキャンバスに描かれている。

製版技術者の島田さんは、原寸大のレプリカを作ろうと、今年2月、「海」のポジフィルムと「海景」の電子データを両美術館に提供してもらった。

両作品を並べると、海の色づかいや、波の表現方法は異なるが、「海」を右に、「海景」を左に並べたら、ぴたりと重なる。モノクロ画像なら一層はっきりする。しかも、遠景の伊豆の島々が大島、利島、新島と、右から左につながる。

青木は東京美術学校(現東京芸大)卒業直後のひと月余、絵描き仲間3人と布良の小谷家に滞在した。この間に「海の幸」はじめ重要な作品を何点か残した。

島田さんは推測する。「青木は横長のキャンバスに下絵を描き、真ん中から切り離した。左の『海景』は布良滞在中に仕上げ、右の『海』は帰京後に完成させたのではないか」。「海景」には絵の具のひび割れた跡が残り、作品を巻いた様子がうかがえるという。

石橋美術館の森山秀子学芸課長は「作風はちがっていても、岩やパノラマの光景もつながる。一つの下絵から生まれた可能性はあります」と語る。

二つの複製画は、8月5日〜24日に館山市コミュニティセンターで開催される「青木繁『海の幸』オマージュ展で展示される。

(田中洋一)


青木繁《海の幸》フォーラム


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14年7月28日 5,004

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