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【朝日新聞】2009.10.14付(福島五夫)
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元海軍特別年少兵・庄司兼次郎さん
戦争体験次世代に伝える
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「君たちの年齢で、私は兵隊になった」。
館山市の慰霊碑前で、元海軍特別年少兵(特年兵)の庄司兼次郎さん(82)は、修学旅行で訪れた中学生に戦争体験を語った。
電気工事業を営むかたわらNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)のボランティアで、戦争遺跡のガイドを務めている。
42年3月の館山市の国民学校高等科を失業し、特年兵1期生として横須賀市の第2海兵団へ。44年7月にフィリピン・ミンダナオ島のダバオへ派遣され、空襲を受けた経験もある。
10月初旬、兵庫県伊丹市立北中学の3年生221人に、「市街戦では子どもや女性など一般市民も戦闘に巻き込まれた」などと語った。
「中学生の年齢で兵隊になるなんて考えられない」と服部大樹さん(3年)。寄せ書きには「日本は戦争の愚かさ、平和の素晴らしさを積極的に伝えるべきだ」などの感想が並んだ。
庄司さんは毎年ダバオで慰霊祭を続けている。その際に中学生たちが作った千羽鶴を供えたい、と申し入れたところ快諾された。
72年公開の映画「海軍特別年少兵」(今井正監督)の撮影で庄司さんは時代考証や演技指導などを手伝った。「戦後65年を迎える来年、この作品を中高生たちと一緒に見て語り合いたい」。そう願っている。