「観光の学び」の校外学習
館山総合高校1年138人、名所など見学して感動
(房日新聞2017.11.24付)‥⇒印刷用PDF
魅力ある県立学校づくりの一環として、館山総合高校はこのほど、NPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)との協働で「観光の学び」の校外学習を行った。1年生138人がバス4台に分乗。館山海軍航空隊赤山地下壕跡や青木繁「海の幸」記念館、布良崎神社、渚の駅たてやまなどの観光施設や文化遺産を巡る観光を体験した。
3年目となる取り組みだが、今年度は、先の見学会が好評だった旧安房南高校の木造校舎を見学すると共に、特色ある科ごとの企画をコースに組み入れた。
家政科は、テングサを煮出してトコロテンをつくる漁村の食文化体験や、安房南高校の伝統的なヌカ雑巾体験を行った。商業科は南房タクシー・房日新聞などを視察。工業科・海洋科は同校水産校舎で、長崎の平和記念像作者の北村西望が制作し、戦時下に金属供出で破壊され、戦後再建された初代校長の銅像を見学し、手づくりの紙芝居「八犬伝」を鑑賞した。
生徒たちのアンケート結果では、各見学地もガイドとの交流も概ね高い評価。感想としては、「地元に素晴らしいものが多いことに驚いた」「もっと多くの人に知らせたい」「木造校舎はかわいい、こういう学校に通いたかった」という声が多かった。特に、母親が安房南高の卒業生の家庭では、会話が弾んだという。引率教員からも、「地域のことを知らなかった。生徒と一緒に学べて良かった」という感想があった。
観光協会常任理事で、同校の開かれた学校づくり委員でもあるNPOの愛沢代表は、「まちづくりは人づくり。地域を学ぶことは誇りを育むことにつながる。約40人の市民ガイドとの触れ合いも、心温まる体験になったのではないか。地元に就職し、まちづくりに関心をもって生きていくきっかけになれば幸いですね」と話していた。