モントレーの33人が来日、アワビがつなぐ市民交流
安房神社参拝で理解深める、広島・長崎も訪問
(房日新聞2017.5.12付)‥⇒印刷用PDF
ほぼ同緯度で太平洋を挟んで交流が続く、米国カリフォルニア州モントレー湾の訪問団が8日、房州入りし、地元住民らと交流した。一行はカブリオ大学名誉教授、サンディ・ライドン氏率いる33人。京都や広島なども訪問し、日本への理解を深める。
1897年(明治30)に白浜地区の小谷源之助と弟、仲次郎が渡米し、モントレーでアワビ事業を始めた。仲次郎は帰国後も海士(あま)を現地に送り続けた。日米戦争でその交流が途絶えるが、1995年にモントレー地区の日系人の歴史を研究していたライドン氏が南房総を初めて訪問。以降、市民レベルでの交流が続いている。
今回の訪日団のテーマは「第二次世界大戦」「幕末の日本」「平家物語」。日本の文化と歴史に触れ、理解を深めようという。
房州入りした一行は、旧官幣大社である館山市の安房神社を訪問。ちょうずを使って拝殿に参拝、神道文化に触れた。この後、小谷家ゆかりの南房総市白浜町根本地区、千倉地区なども歴訪。本土の戦跡である館山市の赤山地下壕も見学した。10日夜には地元住民とも親睦した。
一行は清水寺、竜安寺などがある京都、東大寺の奈良なども訪問。その後は、広島、山口、福岡、長崎、鹿児島などへも足を延ばし、19日には東京へ戻る予定。
ライドン氏は「館山は、自分にとって特別な場所。日本のことをあまり知らないアメリカ人がたくさんいるので、自然豊かで温かい地域住民がいる館山に来て、本当の日本を感じて欲しい」と話していた。