4市の「昭和」写真集(木更津・君津・富津・袖ヶ浦)
変貌する暮らし、街600点
(読売新聞2018.12.14付)…⇒印刷用PDF
戦前から戦中、戦後の木更津、君津、富津、袖ケ浦4市の街の移ろいや、住民の暮らしぶりを記録した写真集が今月、発刊された。約600点が収録されており、それぞれの写真からは「激動の昭和」をこの地で生きた人々の息吹が伝わってくる。
変貌する暮らし、街600点
タイトルは、「写真アルバム『木更津・君津・富津・袖ケ浦の昭和』」。木更津市在住で、同市の市史編集部会委員を務める栗原克栄さん(68)が監修した。
県立高校で日本史を教える傍ら、上総地域の郷土史を研究してきた栗原さんは65歳で退職後、同市教委から市史の委員を委嘱され、明治時代以降の資料調査を行っている。今回、東日本を中心にした各地の昭和の写真アルバムを刊行している「いき出版」(新潟県長岡市)から監修を依頼され、全体の構成や写真の説明などを担当した。
写真は、いき出版が公募したり、4市の観光協会や博物館などから借りたりして集めた。当時の人々の暮らしや変貌(へんぼう)していく街並み、地域の祭りや行事、交通の発展ぶりなど様々なカットが収められており、懐かしさにあふれている。
例えば木更津の写真では昭和30〜40年代に商業都市として栄えた木更津駅西口の商店街の様子がとらえられえおり、君津市では八幡製鉄(言・新日鉄住金)の操業開始とともに大きく変わった街の表情が写されている。
風光明媚(めいび)な観光地として発展してきた状況がわかるのが、富津市の写真。袖ケ浦市のカットからは、干拓事業とその後の大規模工場進出に伴う湾岸の変化が伝わってくる。
「上総地域のかつての姿を後世に伝えるのが私の仕事」と栗原さん。「平成という一つの時代が終わろうとする中で、この地域の昭和を記録として残すことができてうれしい」と話している。
写真集はA4判で280ページ。税込み9990円。1500部の限出版で4市の書店などで販売している。問い合わせは千葉県教科書販売(043・242・4421=今月21日まで。25日以降は043・312・2800)。