旧安房南校舎を公開
NPOが特徴などガイド
(房日新聞2018.10.28付)…⇒印刷用PDF
県指定有形文化財の旧県立安房南高校木造校舎(館山市北条)が27日、一般公開された。卒業生らが校内を巡って、学生時代を懐かしんでいた。
昭和5年に竣工した木造2階建て。日本古来の木造建築と新たに伝わった西洋建築を融合させたつくりが特徴だという。
一般公開は、郷土の文化財に理解を深めてもらおうと、県教委と安房高が毎年実施。今年は、同高の歴史調査をするNPO法人安房文化遺産フォーラムが企画運営し、安房高等女学校木造校舎を愛する会が協力した。
同会の会員によるガイドツアーでは、当時の最新技術で建てられたという建物の魅力などを解説。左右対称につくられた外観、耐震性に優れた天井、梁(はり)、装飾のある柱や階段の手すりといった説明に、参加者らが熱心に耳を傾けた。
古い写真、資料などを並べたギャラリーも開設され、学生時代に思いをはせる卒業生が多くみられた。仲間同士で、当時の思い出話に花を咲かせていた。
安房高の生徒も協力。部活動での作品の展示、書道パフォーマンス、吹奏楽部、ギター部による演奏で盛り上げた。
昭和55年度卒業生の草薙早苗さん(56)=館山市=は、「卒業以来初めて訪れたが、きれいなままで驚いた。いろいろな方の協力で、保存されていて、卒業生としてありがたい」とほほ笑んだ。
同フォーラムの愛沢伸雄代表は、「木造校舎と同時に、安房の地域教育で、大きな役割を担っていたことも知ってもらえたら」と話した。
きょう28日は、同フォーラムと同会が主催する「ミニ講話&証言の会」がある。歴史などの講話を聞き、思い出を語り合う企画。午後1時半から3時まで。