保存活動の旗振り役、館山の愛沢伸雄さん
本1冊分くらいの寄稿
(房日新聞2018.10.15付)‥⇒印刷用PDF
地域の文化財を守り、活用する取り組みに30年以上情熱を傾ける。赤山地下壕(ごう)をはじめとした戦跡、国史跡にもなった稲村城跡、最近では青木繁が「海の幸」を描いた小谷家住宅など幾多の文化財の保存運動の旗振り役を務め、本紙への登場回数も数え切れない。
「房日新聞は、文化財をまちづくりに生かしたいという私たちの思いをきちっと記事で伝えてくれた。いつも活動を支えてくれ、感謝しています」と笑顔を見せる。
かつでは「戦後50年」で、地域の関係者とともにロングランの連来を紙面で展開。それ以後も戦跡、稲村城跡保存、ウガンダ支援などの活動のたびに、詳細で情熱が伝わる文章を寄稿し、保存や支援の必要性を読者に訴えた。
「本1冊分ぐらいは書かせていただいたでしょうか。活動を知ってもらうには新聞の存在は大きかった。掲載によって、人がつながり、活動の輪も広がった。言葉では言い表せないぐらいお世話になりましたよ」
保存活動の紙面掲載を振り返り、「全国紙ではあまりないでしょうが、房日さんはよく集合写真を掲載してくれますね。地域紙ならではのいいところ。自分の顔が出るということは関係者によってはうれしいことなんですよ。活動するうえでみんなの励みになる」と語る。
日々の紙面では「毎日のまちの動きを見ることができる。中でも同じように環境保全など市民運動、地域活動をやっている方の記事は気になりますね」。
房日新聞は過去10年分ぐらいそのまま自宅に保管。自身の活動だけでなく、さまざまな取り組み、出来事の経過を振り返り、検証に活用している。「私にとっては古新聞ではなく、資料。ただ家の中は新聞でいっぱいです」と苦笑い。
今後の房日新聞について「時代、地域の流れが大きく変わっていく中で、将来を見据えたまちづくりの方向性をどう見ていくか。70年の歴史の厚みがある中で、地域新聞の役割が問われているのでは。今後も市民のコミュニティーづくり、まちづくりにつながる紙面展開を願う」と求めた。