青木繁「海の幸」モチーフは安房神社と布良崎神社の神輿説
館山 フォーラムで2日が力説
(房日2011.9.3付)
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近代洋画家のひとり、青木繁の没後100年を記念した「青木繁《海の幸》フォーラムが、このほど館山市の南総文化ホールで開かれ、市民らが講演や、討論に聞き入った。
有志でつくる青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会が主催した。
講演では、ブリヂストン美術館学芸員の貝塚健氏が、「布良という聖地〜《海の幸》が生まれた場所」と題し、作品の構図や、なぜ布良に行ったのかなどを解説。さらに青木は「海の幸」「山の幸」を制作するつもりだったこと、絵はデッサンして東京で仕上げられたことなどを語った。
海の幸のモチーフについては、青木が安房神社の古事来歴に人間の根源的な生命観を感じていたこと、明治37年夏に布良に滞在していた青木が、安房神社の例祭を見逃すはずがないこと、神輿の担ぎ手がつくる2列縦隊は、青木の脳裏に強烈に焼きついたであろうことなどから、安房神社神輿説を唱えた。
貝塚氏のあとに登壇したNPO法人青木繁「海の幸」会の吉岡友次郎氏が、青木が滞在した布良の小谷家を、当時の姿に復元し保存していくことの重要性を語り、保存運動への参加を呼びかけた。
このあとの井戸端会議では、布良崎神社神輿世話人の島田吉廣氏が、海の幸のモチーフについて、下絵の状況などから布良崎神社神輿説を力説するなど熱の入った討論が行われた。
被災地支援続ける亀田の小野沢医師 千倉で講演
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「震災対応、自治体間で差」
大地震への備えを提言
東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で医療支援活動を続けている亀田総合病院の小野沢滋・地域医療支援部長が10日、南房総市・千倉公民館で「被災地からの報告〜行政、市民が備えるべきこと」と題して講演した。
小野沢氏は、役所特有の〝前例踏襲主義〟や〝縦割り意識〟の程度の度合いにより、被災自治体間で復旧、復興の取り組みにかなりの差が出ていると指摘。大災害発生時の行政対応のあり方について「意思決定の速さと柔軟さが勝負になる」と提言した。
小野沢氏は千葉県の派遣医師として、3月末に宮城県入り。石巻市、南三陸町、気仙沼市などの医療状況の調査を行った後、在宅患者の対応が遅れていた石巻市で活動を続けている。
講演では、避難所の運営や被災者への食事の提供状況、全国から寄せられる支援物資の取り扱いなどについて、市当局が杓子定規な〝平時の対応〟に固執することで事態がなかなか改善していかない数々のエピソードを紹介。
市町レベルの自治体が備えておくべき点として▽災害救助法に精通する▽ボランティアを有効活用する仕組みをつくる▽権限委譲も含め、災害発生時の意思決定の仕組みの検討▽避難所運営のマニュアル作成▽物流を円滑にする仕組みづくり——を挙げた。
一般市民向けには、長期間にわたって通信、物流がとだえる場合を考えて「家族の集合場所を決めておくこと」「(持病のある人は)最低2週間分の薬の予備を持つこと」などの点をアドバイスした。
また、医療福祉関係者の課題は、大地震と津波被害後に「残った要介護者を7日以内に施設・域外に」収容・搬出することだと指摘。いざという時の態勢を整えておく重要性を強調した。
小野沢氏は、現地で聞いた被災体験で特徴的なものとして「津波から逃げ延びた多くの人が『途中で物を取りに家に帰った人は皆死んでいる』と話す。一度決めたら、迷わずに逃げることが大切だ」とも語った。
講演は、市内の市民グループ「房州舫(もやい)」が開催。10月1日にも「元禄地震と津波」をテーマに青木嘉男・前南房総市教育長の講演を企画している。千倉公民館で午後2時から4時まで。問い合わせは同グループ事務局(0470—44—1780)へ。
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(房日新聞2011.9.13付)
銀座商店街を巡るウォーク
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NPO安房文化遺産フォーラムは、5月10日午前9時50分から館山市北条の銀座商店街を巡るウォーキング教室「歩いてみよう館山の街を」(館山商店会連合会など後援)を開催する。参加者を募っている。参加費は150円(メンチカツ代)。
300年前の元禄地震の大津波から人を救ったサイカチの木を館山の街活性化に生かすことを目的に活動する「サイカチの木を守る会」に協力し、同NPOが開催して今回で2回目となる。
コースは1.5キロで、松田屋〜ピース製菓〜房洋堂〜秋山陶苑〜丸太鮮魚店〜加藤菓子店〜幸田旅館〜相川肉屋〜銀座商店街振興組合ビル〜秋山呉服店〜セットアップ〜サイカチの木。
サイカチの木の前では、語り部の礒部清子さんの語りを聞く。
集合は、JR館山駅東口で、当日受付となる。
青木繁の故郷・久留米の関東同窓会
「海の幸」誕生の地訪問(千葉県館山市)
(西日本新聞2011.10.13付)
久留米市内にある南筑、久留米商業、明善、久留米、三潴、久留米大付設各高校と久留米高専のOBで構成する関東圏の同窓会「東京高牟礼会」(馬場和人代表幹事)の有志24人は11日、久留米市出身の画家青木繁(1882〜1911)が国の重要文化財」海の幸」を制作した千葉県館山市を訪問した。
一行は「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」の池田恵美子さんから、青木の没後50年を記念して建立された「海の幸」の記念碑や、青木が描いた布良(めら)の海岸(阿由戸の浜)などの説明を受けた。
青木繁が「海の幸」制作時に約一年半滞在した小谷家住宅では、当主の小谷福哲氏や先代当主の栄氏から、滞在時の出来事などを聞いた。
参加者は「青木がこの海を見ながら名作を描いたと思うと感慨深い。館山市の皆さんから今も愛されている。訪れてよかった」と話していた。
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保険推進員が研修会
身近な歴史や文化学ぶ
(房日2011.1.14付)
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館山市保健推進協議会はこのほど、市民の健康づくりに関する身近な相談相手となる保険推進員を対象に、地域再発見をテーマにした研修会を、同市コミュニティセンターで開いた。
「館山の自然・歴史・文化について知り、より地域に溶け込んだ活動につなげる」ことが狙い。
第9期推進員145人が参加。NPO法人安房文化遺産フォーラムの池田恵美子さんによる「まだまだある!おらがまち再発見」と題した講演に耳を傾けた。
「東京から遠い静かな土地と思っていたが、戦争の軍事拠点だったり、転地療養の地であったりと、歴史ある土地だったのですね」「まさに館山の再発見をした気分。知人に話したり、案内したりの楽しみが増えました」と推進員たち。
事務局の市健康課では「保険推進員の任期は3年で、来年4月からは第10期へとバトンタッチされる。今後も推進員が楽しく活動できるような内容で研修会を企画していきたい」と話している。
『芸術新潮』2011年7月号
【特集】没後100年・青木繁
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60頁にわたる大特集。そのうち、「現在編・第二章:布良…画家の聖地を守る人びと」(P.66~69)では、NPO法人安房文化遺産フォーラムと 青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会が取材に協力し、記事に紹介されています。
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