
歩いてしのぶ一揆義民の志
万石騒動史跡ツアー
.
江戸中期に北条藩(館山市)で起きた農民一揆ゆかりの地を巡る「万石騒動・安房三義民ウォーキング」が23日、館山市内で行なわれる。今年は、処刑された三義民の「300年祭」にあたり、主催者は「郷土の歴史を守っていきたい」と話している。
騒動は同市北条に陣屋を置き、周辺27か村約1万石を支配した北条藩で起きた。藩政を預かった川井藤左衛門は元禄大地震(1703年)の復興を急ぎ、領民に過酷な年貢を続けた。
これに怒った数百人の農民らは正徳元(1711)年、江戸藩邸に押しかけ、老中にも直訴したという。結局、農民代表の湊村角左右衛門、国分村長次郎、薗村五左衛門の3人の名主が処刑され、藩主の屋代家は失政の責任を取らされて改易、川井らも処刑された。
農民側の勝訴で、これが北条藩廃藩の原因とされる。処刑された3人は「三義民」とたたえられ、処刑場跡地のある館山市国分寺には供養塔が建てられた。現地では毎年11月26日、三義民の命日祭を行なっており、50年ごとに記念法要が営まれている。
ウォーキングは午前10時から正午まで、供養塔、200回記念碑。刑場跡などを歩くコースで行なう。雨天決行。受け付けは同9時45分から、館野地区公民館前広場で。参加費は資料代として100円。岡田晃司・館山市教委主任学芸員が案内する。
11月20日に開く「300年記念祭」に向け、市民有志による万石騒動・安房三義民300年祭実行委員会は賛助金を募り、記念碑の建立を計画している。問い合わせは、NPO安房文化遺産フォーラム(0470-22-8271)へ。
(読売新聞2010.5.16)
⇒⇒開催概要はコチラ。



万石騒動ウォーク
解説付きでゆかりの地めぐる
.
今年11月に館山市で行なわれる「万石騒動安房三義民300年祭」を市民にPRし、取り組みへの機運を高めようと、同祭実行委員会(佐野邦夫委員長)が23日、三義民ゆかりの地をめぐる「万石騒動・安房三義民ウォーク」を開催することになった。
当日は午前9時45分に館野公民館に集合。10時にスタートし、国分寺の三義民供養塔や200回忌記念碑、滝川用水路、三義民刑場跡などを約2時間かけて歩く。館山市の歴史に詳しい岡田晃司さん=市生涯学習課主任学芸員=が講師となり、ウォークに同行。江戸時代に起きた農民一揆「万石騒動」の経過や背景を、現地に残る史跡の前で解説するという。参加費100円(保険・マップ資料代)。実行委では「この機会に、ぜひ万石騒動の痕跡を訪れてみませんか」と市民の参加を呼びかけている。
ウォークは館山市文化財保護協会、NPO法人安房文化遺産フォーラムも共催。問い合わせは同フォーラムファクス(0470-22-8271)へ。
⇒⇒開催概要はコチラ。



今を去る300年前、正徳元(1711)年に安房の地で過酷な年貢を課せられた農民たちが命をかけ決起した一揆がありました。「万石騒動」と呼ばれるたたかいは、屋代家を改易させ農民側の勝利に終わったものの3名の名主が処刑されました。毎年、「三義民」の命日祭をおこなってきましたが、本年はその「300年祭」にあたります。
万石騒動安房三義民300年祭実行委員会では、現在広く皆様に賛助金を募り、300年祭の記念碑建立を計画しております。
この機会に、江戸時代の安房の人びとが命をかけて立ち上がった「万石騒動」を学ぶために、館山市の館野地区に残っている関係文化財を中心に、その痕跡を訪れてみませんか。
.
【日時】2009年5月23日(日)10:00〜12:00
【受付】9:45館山市館野公民館前広場
【行程】館野公民館→国分寺(三義民供養塔・200回忌記念碑)→滝川用水路他→三義民刑場跡→館野公民館
【講師】岡田 晃司氏
(館山市教育委員会生涯学習課主任学芸員)
.
【主催】万石騒動安房三義民300年祭実行委員会
【共催】館山市文化財保護協会/NPO法人安房文化遺産フォーラム
【問合先】0470-22-8271
[ .. 全文表示へ ]



鋸南、生々しい証言次々と
65年前の「市部瀬の惨劇」
平和願い現地に60人集う
.
友人が、同級生が、親戚が乗っていました——。65年前の5月8日、鋸南町下佐久間字市部瀬であった米軍機による列車への機銃掃射事件を忘れず、恒久平和を願おうという集いが8日、同所のJR内房線沿線であり、60人が惨劇の現場で献花、焼香した。地元有志らが、本紙記事を通じて当時の列車乗客にも参加を呼びかけたところ、高齢を押して駆けつけた人もいた。会場では民間人が犠牲になった惨劇が語り継がれ、参加者は平和への思いを新たにしていた。
[ .. 全文表示へ ]





(房日新聞2010.5.2付)
医療・まちづくりシンポ
〜パネル討論発言要旨(上)
.
館山市の南総文化ホールで4月28日行なわれたシンポジウム「癒しの海辺のまちづくり」での、パネル討論参加者の発言要旨は次のとおり。
.
.
■松永平太氏(松永医院院長・安房医師会理事)
〜看護大学に住民の支援を
.
「いのちの山河」はとてもいい映画だった。加藤先生(注・シンポジウムで基調講演をした旧沢内村の加藤邦夫医師)が50年前にやられていたころが良く理解できた。安房地域も、住民検診が発達した地域と言われている。それは先人のドクターたちが沢内村に行って学んで、持ち帰ったと聞いている。
安房地域では亀田(メディカルグループ)さんがあることで、日本一安心、安全な地域だと思っている。東京では診療所がいっぱいあるが、9時から5時まで。夜は無医村。新聞に載るような救急のたらい回しは安房地域にはない。亀田さんが必ず診てくれるからだ。
問題はやはり看護師不足。安房医師会としても行政に対し、看護師になりたい人に奨学金をだしてくれと要望している。亀田さんも看護学校をつくろうとしているが、膨大なお金が必要。亀田信介さんや省吾さんは「ヒラメ」のような人。いつも上だけ、理想だけを見て、経営が厳しくても「人が大事だ、教育が大事だ」とお金をつぎ込んできた。それで全国からお医者さんが集まる優秀な病院になった。
だが看護大学は壁にぶつかっていると思う。住民が寄付をして、看護師養成に力を尽くしてほしい。安全と安心のある地域で、この50年後、100年後をどうしていくのか、住民とともに考えたい。
いい地域医療をやろうというのは、まちづくりや文化づくり、風土づくりにつながる。よそ者である「風の人」、地元の「土の人」がつながって風土がつくられる。そういう社会をみなさんとつくっていきたい。
■愛沢伸雄氏(安房の地域医療を考える市民の会呼びかけ人)
〜先人のような知恵出そう
.
館山に来て30年になる。20年前に「かにた婦人の村」と深津文雄牧師に出会ったことがきっかけで、文化財保存運動を進めてきた。医療も文化遺産で、大変な人々の知恵や力が投入されてきたことを知らなければいけないと思う。
加藤先生の話を聞いて意を強くしたのは「課題を明確にして、今の問題は何かをきちっとつかまえる」と言われたこと。沢内村が抱える問題は全国どこにもあったが、なぜ沢内村が成功したかというと「対話、話し合い」があった。村長が人の意見に耳を傾けた。
この地域で、ちょっと残念なのは「どうにかなっぺよ」という感じ。この程度でいいやと。問題にかかわると、変人扱いされかねない。
ただ、この「どうにかなっぺよ」も、食べられる地域をどうにかつくってきたことの裏返しなのかもしれない。地震や災害が多い地域だが、そんな中でどうやって食べられるシステムを先人たちがつくってきたか、個人的にも興味がある。
地域医療の問題点是正にはお金もかかるし困難も大きいが、この地域には解決する力があると思う。それが全国のモデル的なものになればいい。
この地域は公立病院がなくてもやってきたし、みんなでお金を出し合って病院を作ってきた地域でもある。学校もそうだ。地域の持っている特性を分析し、どうやったら先人のような知恵を出せるかを考えたい。
もう一つ。この地域は人々が力を合わせて30年以上コミュニティという組織を運営している。他にはない優れた組織形態だと思う。綜合検診の推進にもかかわっている。今こそ安房の人が大同団結し、医師と住民が力を合わせて困難を乗り越えていきたい。
.
(つづく)



戦跡をたずねて〜65年前の惨劇を知っていますか。
戦時中、安房勝山駅発11時50分の下り列車が市部瀬にさしかかったところで、米軍の機銃掃射を受けたのは、1945(昭和20)年5月8日のこと。3機のP51戦闘機が波状攻撃を繰り返し、死者13名、負傷者46名の犠牲者を出しました。その現場へ行き、当時を偲び、献花をしたいと思います。
【日程】2010年5月8日(土)11〜14時
【場所】勝山ドライブイン駐車場11時集合
11:10歩いて現場へ行き、献花
12:00勝山ドライブインにて昼食(各自負担)をとりながら体験談を聞く
【参加費】無料
【主催】明日の鋸南町を考える会、子どもの未来に平和を実行委員会(代表:安藤恵美子)



館山で医療シンポ、旧沢内村の加藤医師講演
「健康教育で生きがい社会を」
.
地域医療をめぐる問題を含め、今後のまちづくりのあり方を考えるシンポジウム「癒しの海辺のまちづくり」(安房の地域医療を考える市民の会主催、安房医師会共催)が28日夜、館山市の南総文化ホールで開かれた。
岩手県の旧・沢内村(現・西和賀町)で故・深沢晟雄村長とともに「生命尊重行政」を進めた加藤邦夫医師(79)が約200人の聴衆を前に基調講演。「高齢者が生涯現役で働ける、生きがいのある社会」実現のため、「住民自身が医療・健康についての知識を高め、医師は住民への健康教育を重視することが大切だ」と語った。
加藤氏は昭和35年、「豪雪・貧困・多病多死」に悩む沢内村に赴任。その翌々日に「吐血した人がいる」との連絡で往診に出たが、現場には除雪されていない道を2時間歩いて行かねばならず、到着すると既に患者は死亡。山間地域の厳しい現実を目の当たりにした。
「当時医療費は50%患者負担。病人はごろごろいたのに、経済的な理由で医者に行かない人が多くいた」。こんな事情を背景に、沢内村は乳児と60歳以上の医療費全額負担を決断。加えて健康増進・疾病予防対策を重視した「包括医療」を推進し、昭和37年には全国初の乳児死亡率ゼロを達成した。
加藤氏は講演で、全額公費負担で一時的に医療費が増大して国民健康保険料が上がったものの、村民の疾病率が減少したことで、後に保険料は下がったと指摘。また、高血圧の受診体制を充実させることで、脳卒中の患者が減少したことを紹介し、「予防に力を入れれば医療費は減っていく」と強調した。
深沢村長の功績については「口だけで理想を語るのではなく、実際に財政措置をした。村の自主財源はわずか10%ほどだったが、村長はその大半を医療・健康対策に投入した」と語った。
シンポでは「癒しのまちづくりの夢を語ろう」と題したパネル討論も実施。松永平太・松永医院院長、愛沢伸雄・安房の地域医療を考える市民の会呼びかけ人代表、高野良裕・前館山病院院長、福留強・聖徳大学教授の4氏が、それぞれ看護師不足問題や高齢化する社会への対応策などについて発言した。
.
=パネル討論の内容は、発言要旨を後日掲載する予定です=
.
(房日新聞2010.4.30付)



まちづくりシンポジウム2010
癒しの海辺のまちづくり
.
【とき】平成22年4月28日(水) 午後7時〜8時45分
【ところ】千葉県南総文化ホール小ホール
【参加費】500円
【前売券取扱】南総文化ホール、安房医師会協賛病院
.
■ 第一部 基調講演 ■
映画『いのちの山河〜日本の青空Ⅱ』 の医師が語る
「自分たちで生命を守った村」
【講師】 加藤邦夫 医師
「貧困・豪雪・多病多死」の三重苦を克服した岩手県沢内村のまちづくりは、全国的に知られ、安房地域でも総合健診導入時に医師会が視察をおこないモデルとしている。1960年に国保沢内病院長に就任した加藤医師は、当時の故深沢晟雄村長が掲げた「生命尊重行政」の中核的な担い手として、健康台帳の整備や予防活動などに15年尽力し、60歳以上と乳児の医療費無料化を実現。さらに全国で初めて乳児死亡率ゼロを達成し、一人あたりの医療費を県内最低額に抑えることにも成功した。現在、仙台徳洲会病院で人間ドッグを担当する現役医師、79歳。
.
■ 第二部 まちづくりシンポジウム ■
「癒しのまちづくりの夢を語ろう!」
◇松永平太さん
…夢を追い続ける安房の若き“赤ひげ先生”。
◇愛沢伸雄さん
…安房の歴史遺産を守ってきた道産子。医療を考える市民の会呼びかけ人。
◇高野良裕さん
…離島や豪雪地域で住民と医療まちづくりを実践してきた前館山病院長。
◇福留 強さん
…全国の生涯学習まちづくりブームの仕掛け人。聖徳大学教授。
◇コーディネーター=池田恵美子さん
…安房の魅力を語らせたら止まらない(!?)名プレゼンター。
.
*主催=安房の地域医療を考える市民の会 (問合0470-22-8271)
*共催=安房医師会
*協力=NPO法人安房文化遺産フォーラム、NPO法人全国生涯学習まちづくり協会
*後援=館山市社会福祉協議会、南房総市社会福祉協議会、鴨川市社会福祉協議会 (予定)
※房日新聞2010.4.30付 ⇒ 記事詳細はコチラ。

