◆歌でつなぐ平和の祈り◆
...庄司有里(館山市立神戸小学校三年生)
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2005年9月3三日、南総文化ホールの大ホール。わたしは、合唱組曲「ウミホタル」の初えんのステージで、歌うことができました。客席の一番前には、アメリカのカリフォルニア州のモントレーから、40人ものお客様が、横一列に座ってみてくださいました。まるで太平洋がせまくなったようで、南房総とモントレーは、すぐそこまで近づきました。
わたしは、歌うことが大すきです。1年生の時から、少年少女合唱団ウィングで歌っています。そして、今年の4月に「ウミホタル合唱団」のぼ集があり、さんかすることを決めました。
「ウミホタル」の組曲は、館山のウミホタルの「戦争と平和」を歌った歌です。ウミホタルの青く光るふしぎな光を、戦争に使えないかと考えて、館山の子どもたちにウミホタルをとらせていたそうです。「ウミホタル」は生きて命があるからこそ美しく光れるのに、すりつぶされて、ころされて、こなになった後も光れなんて、むごすぎると思いました。わたしは、「ウミホタル」の合唱の練習で、はじめて「戦争」のことを知りました。日本がアメリカに負けて、戦争が終わった年の9月3日には、館山の沖の島の少し前の海から、アメリカ軍が、3500人も上りくしてきて、4日間、館山をせんりょうしたそうです。今年は、戦後60年目の、9月3日をむかえました。 その日に合わせて、アメリカからモントレーの人たちが、館山の上りくの場所で、上りくした時間に、平和をいのるために来てくださったということ感動しました。
南ぼうそうとモントレーは、百年も前から交流があったそうです。白浜や千倉から、モントレーにわたって、アワビのとり方を教えたり、かんづめ工場を作ったりしたそうです。けれども戦争がはじまると、モントレーでも、日本人はアメリカのてきでした。つかまえられてら、交流がなくなってしまったそうです。
えんそう会のさい後、客席のモントレーの人たちが立ち上がり、わたしたちといっしょに、組曲の番外へん「レッツゴー沖の島」を日本語で歌ってくれた時は、本当にうれしかったです。その時、わたしたちとモントレーの人たちの心は、平和をいのる気持ちで、つながっているんだと感じました。
音楽は、世界きょう通の「ことば」です。そして、歌うことに道具はいりません。人と人が声を重ねて歌えば、かならず心もつながると信じています。わたしは、世界中の子どもたちと、いろんな楽しい歌を歌って、友だちになりたいと思っています。
「ガラスのうさぎ」の本の中から、作者の高木敏子さんと、まごの会話があります。「今も世界のどこかで、戦争でつらい思いをしている子どもがたくさんいるのよ。でも、あきらめちゃいけないの、戦争をなくすことを…」
「わたしにもできることを、何か見つけたいな」
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《 第22回千葉県ユネスコ大会 in 館山 —つなごう子どもたちへ—平和の心を— 》