※戦後60年に誕生し、2005年9月3日に総勢160名の合唱団員で初演。
♪ウミホタル〜コスモブルーは平和の色♪
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序章=夕日の海‥‥♪歌詞&音源
第1章=ウミホタルの光‥‥♪歌詞&音源
第2章=戦争へのシナリオ‥‥♪歌詞&音源
第3章=子どもたちの小さな戦争‥‥♪歌詞&音源
第4章=戦場のウミホタル‥‥♪歌詞&音源
第5章=宇宙(そら)の子守唄‥‥♪歌詞&音源
第6章=光の海‥‥♪歌詞&音源
番外編=レッツゴー沖ノ島‥‥♪歌詞&音源
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***歌詞・音源視聴は各章リンク先から。
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■ウミホタルの軍事利用
館山は世界的にも有名なウミホタルの生息地である。戦争中の安房中学校(現千葉県立安房高校)勤労動員作業記録を見ると、生徒たちがウミホタル採集をしたという記載がある。マリンブルーの美しいかが焼きを放つウミホタルは、発光源となる酵素の液体を放出する。軍は、体細胞中に発光物質を有するウミホタルを乾燥して粉末化し、それに水や唾液などをつけて再発光させる研究開発をしていた。それは夜間のゲリラ戦に備えて敵味方を判別する夜光塗料にしたり、または懐中電灯代用の携帯用照明にするため、さらには特攻機が夜間敵艦船に体当たりするための「ウミホタル照明弾」として研究開発をすすめていたといわれる。
2004(平成16)年5月、この題材をもとに、大門高子作詞、藤村記一郎作曲による合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』が誕生した。
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■ウミホタルのうたごえを「平和の宝物」に...愛沢伸雄 (NPO法人安房文化遺産フォーラム 代表)
私たちは21世紀にふさわしい心豊かな地域社会(コミュニティ)の創造をめざして、NPO法人を設立しました。子どもたちに平和を語り継ぐために、地域にある戦争遺跡が平和学習の場になることを願い、ガイド活動をはじめ調査研究や保存運動に取り組みながら、私たちは地域の人びとのくらしのなかに平和の思いをさぐり、この地を訪れる方々と生き方や学びの平和交流をおこなっています。
千葉県南部の安房地域では、アジア太平洋戦争に際して首都東京を守る重要な戦略拠点としての様々な軍事施設がつくられ、とくに戦争末期ではアメリカ軍の上陸が予想され、多くの本土決戦陣地や特攻基地がつくられました。また兵士への食糧供出が最優先されたことで、地域の人々は花作りを禁じられ、子どもたちも軍事利用するウミホタルの採取作業が命じられたという事実があります。
幻想的な光を放っているウミホタルのもつ戦時中の悲しいエピソードは、2004年の夏、作詞家の大門高子さんと作曲者の藤村記一郎さんによって、合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』の誕生となりました。
「戦後60年」の節目にあたる2005年、「南房総・平和フェスティバル〜子どもたちに平和を手渡そう」という取り組みの一環として初演実行委員会がスタートしました。そして平和を願い、歌を愛する多くの市民の皆さんに支えられて合唱団が結成され、船田正廣さんを初演実行委員長として、安房の地から全国や世界に合唱組曲『ウミホタル』のうたごえが響きわたりました。
南房総・安房の地「平和・交流・共生」の理念にふさわしい合唱組曲をプレゼントされた私たちNPOでは、多くの市民や全国のうたごえの皆さんとともに21世紀の「平和の宝物」として、合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』誕生の地から歌い継いでいくことを決めました。南房総・安房から歌声をとどけることによって、全国や世界の人びとの心に「平和の砦」が築かれていくことを願っています。