●天からの贈り物「ウミホタル」
・船田正廣(「ウミホタル合唱団・安房」団長)
ウミホタルは小さい、その子どもたちはもっと小さい、しかし、3億年も光り続けてきたという。館山の生きた化石、生きた文化財と言えるでしょう。静かな入江の砂浜の海、とりわけ館山に多く棲息するウミホタルの実体験された大門、藤村両先生によって合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』は誕生しウミホタル合唱団が誕生しました。「館山初演が実現し、もし皆さんの了解が得られるならば、そのときは私が揮りたい」という藤村さんのご意向が2005年に実現し、合唱組曲の封印をこの地域の人びとの歌声で解く幸運を得ることができ、最高の喜びとなりました。
愛沢伸雄さんが主宰するNPO法人の未来に向けての構想と、こだわりを持たないユニークな歌い方が各地域から集まることで、地域にふさわしい新しい姿の合唱団が誕生するはずです。どのような形でウミホタル合唱団を育てていこうかと思いあぐねていたところ、ある日突然、天からの声が(…としか私には思えないのですが)かかったかのように、眠っていたウミホタルが動き始めました。
それは、伊東万里子先生(「劇団貝の火」主宰)のご尽力により、南総文化ホール(ケイミックス)の企画・主催事業として、2009年度に「ウミホタル」のミュージカル化が企画されたのです。また、伊東先生のお計らいで、舞台芸術の第一線で活躍されている演出家の先生のお力を貸していただくことにもなりました。まるでウミホタルが羽をもった天使になったかのように、舞台で踊り舞うような未来に対してワクワクしています。私も微力ながら、地域の音楽舞台芸術のために尽くしたいと決意を新たにしました。そこで、世代をこえ、地域をこえて歌いたい人誰もが力を合わせて歌い、演技をし、自分を表現できる場として、新生・ウミホタル合唱団安房を再出発させることにしました。館山に行けば、美しいウミホタルがいて、「ウミホタル」の曲もあると、日本のすみずみの人まで知られていくことをいま夢見ています。