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東京湾をまるごと博物館に

館山とおこすかNPOがシンポ〜観光とは異なるアプローチを

(房日新聞2013.7.30付)

古くから歴史文化を共有する房総半島と三浦半島の文化遺産を活用し、東京湾一帯をまるごと博物館ととらえて広域連携を考えるシンポジウムが23日、館山市中央公民館で開かれた。

同市のNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄理事長)と、神奈川県横須賀市で戦争遺跡の保存活動を展開するNPO法人アクションおっぱま(昌子住江理事長)が共催。館山、横須賀両市をはじめ都内などから70人が参加した。

シンポジウムでは、はじめに昌子理事長が、貝山地下壕や第三海堡(かいほう)遺構の保存活動などを報告。活動から生まれた「フィールドミュージアム(屋根のない博物館)」構想を説明した。

続いて安房文化遺産フォーラムの池田恵美子事務局長が、館山周辺の戦跡や明治期の画家・青木繁が代表作の「海の幸」を描いた足跡など、歴史や文化をまとめた「館山まるごと博物館」の事例を発表した。

最後に土木・産業遺産の利活用を研究する近畿大学の岡田昌彰教授が、イギリスやフィンランドなどを例に、海外の多様な戦跡の利活用、公開方法などを紹介しながら助言。

愛沢理事長が「地域資源を活用したまちづくりという視点は、物見遊山の観光とは異なるアプローチで、人と人との交流を生み、地域を活性化させる。横須賀と館山の共通点、それぞれの特徴を生かした連携で、東京湾まるごと博物館という構想を前進させたい」と締めくくった。

シンポジウム終了後は、海軍航空隊赤山地下壕跡、青木繁のゆかりの地を巡るフィールドワークも行った。それぞれの文化財の維持管理者らともふれあった参加者は、感激した様子だった。


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13年7月30日 6,387

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