寺崎武男の遺族200点寄贈
27日から「安房ゆかりの名画展」で公開へ
安房ゆかりの画家たちの名画を集めた「海とアートの学校まるごと美術館」(青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会主催、房日新聞社など後援)が27日から5月6日まで、館山市の旧富崎小学校で催される。展示を前にこのほど、館山に定住した洋画家・寺崎武男の遺族から、寺崎の絵画など200点以上が同会に寄贈され、関係者は展示に向けた準備を進めている。
寄贈されたのは、洋画や手帳、手紙など200点以上。洋画は、安房開拓神話や、戦争と平和を題材にしたものが多く、西洋古典画法のテンペラや油絵、銅版画など、多彩な技法で描かれている。11日は、会のメンバーらが寄贈された作品を広げ、どれを展示するか選ぶなど準備にいそしんでいた。
日本創作版画協会を設立するなど日本美術史に影響を与えた寺崎は、別荘のあった西の浜(同市)に拠点を移し、昭和24年から4年間、現在の安房高校で美術講師を務めたという。美術部で指導を受けた同会の嶋田博信会長(85)は、「子どもの時には分からなかったが、今になって先生の偉大さを感じている」と感慨深げ。「地域のことを描いたたくさんの素晴らしい作品がよく残っていた。ぜひ大勢の人に見てもらいたい」と話している。
会場は、平成29年に閉校した富崎小学校。校舎の利活用を目的に企画され、3月には地区住民ら延べ100人が、3回にわたり校舎内を清掃した。
寺崎の他に、洋画家の青木繁や倉田白羊の作品も並ぶ予定で、学校周辺でのウオーキングなどイベントも企画している。入場無料。
問い合わせは、事務局のNPO法人安房文化遺産フォーラムの池田さん(090—6479—3498)へ。
【写真説明】寺崎武男の作品を広げるメンバーら=旧富崎小学校で