
房日新聞 2009.9.29付
◎各界から160人が祝福
..安房文化遺産フォーラム、
..和島誠一賞など受賞祝賀会
館山市のNPO法人「安房文化遺産フォーラム 」(愛沢伸雄代表)の「和島誠一賞」受賞を記念する祝賀会が9月26日、同市のたてやま夕日海岸ホテルで開かれた。金丸謙一館山市長、石田三示衆議院議員をはじめ地元政界、経済界、NPO、文化財保護団体などから約160人が出席。全国的にも権威ある同賞受賞と、長年にわたり地元文化財の発掘、保存・活用に尽力してきた同フォーラムの功績をたたえた。
同フォーラムは、2006年に「あしたのまち・くらしづくり活動部門」で内閣官房長官賞、昨年には千葉県文化の日功労賞を受賞。今回で「トリプル受賞」となったことを機に、里見流家元の里見香華さんら43人が発起人となり祝賀会が企画された。
祝賀会では、千葉歴史学会会長の佐藤博信・千葉大教授が「里見氏の遺跡、戦争遺跡などが同フォーラムの民間の人たちによって守られた。これが高く評価された。この地に地下水のように流れている『民間力』を感じる」とあいさつ。金丸市長は「宮城の戦争遺跡、赤山の見学者は増えており、市でも駐車場を拡充した。ともに協働のまちづくりをしていきましょう」とエールを送った。
愛沢代表は「戦争遺跡。稲村城跡とも、当初は周囲の風当たりが強かった。だが、市民が主役になった文化財保存、地域づくりを忠実に目指してきたつもりだ。活動を続けるのは厳しい面もあるが、きょうを機に、また(心を)奮い立たせて頑張りたい」とスピーチした。
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◎心の内描いた水彩画
愛沢さんの回個展あすまで枇杷倶楽部
統合失調症の療養をしながら絵を描き続けた館山市の愛沢綾子さんの回顧展「わたしは画家になりたい」が、南房総市富浦町の枇杷倶楽部ギャラリーで開かれている。
愛沢さんは、日本女子大学心理学科に入学したが、在学中の2004年に統合失調症を発病。自宅で療養生活を送る中で、05年から絵を描き始めた。小学生のころ絵の指導を受けるなど下地があり、療養中に水彩で多くの絵を描き、二度にわたって個展を開いたが08年7月、24歳の若さで他界した。
回顧展は、綾子さんが亡くなってから一周忌を過ぎたことから、自宅に残る絵を多くの人に見てもらおうと、父親の伸雄さんが開いた。
展示されているのは、抽象画、人物画、風景などおよそ50点。いずれも小品だが、絵の具を溶かずに、そのまま塗りつけて描いた顔、自然をイメージした静と動を感じさせる抽象画など、内面で感じたままを表現した作品が鑑賞する人の心に強く印象づける。作品展は、あす23日まで。





◎「画家になりたい」愛沢さん遺作展
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24歳の若さでこの世を去った館山市の愛沢綾子さんの絵画を紹介する「愛沢綾子回顧展—わたしは画家になりたい—」が、9月20日から23日まで南房総市富浦町の枇杷倶楽部ギャラリーで開かれる。
愛沢さんは安房高校を卒業後、日本女子大学心理学部に入学したが、在学中に統合失調症を発症。自宅療養する中で絵を描き始め、2006年と08年に個展を開催、この年の7月に永眠した。絵画展は、一周忌を過ぎたことから父親の伸雄さんが、綾子さんが残した多くの作品を一般の人に鑑賞してもらおうと企画した。イラストや、抽象画、静物画などおよそ50点が展示される。






●館山市は公的病院に支援を、公認会計士・長氏が講演
新助成制度を説明、安房地域医療センターで提言
旧安房医師会病院の経営改革委員長、総務省の公立病院懇談会座長などを務めた公認会計士、長隆(おさ・たかし)氏の講演会が5日、館山市の安房地域医療センターであった。長氏は、現在は社会福祉法人太陽会が運営する安房地域医療センターの経営について「不採算医療を行う公的病院に対しては、自治体による財政支援が必要」と指摘。館山市が国の新たな制度を利用して、財政支援に踏み切るべきだと提言した。
長氏は、総務省が昨年12月にまとめた「公立病院に関する財政措置の改正要綱」で、小児医療や救急医療などの公的医療を行う施設に対する助成が、新たに特別交付税の措置の対象に加えられたと説明。「館山市にカネを出せと言っているのではない。システムを研究して市が(国から)とってきてほしい」と述べた。また「2億円から3億円、そのぐらいは他の市なら出ている」と指摘し、多額の交付金が期待できるとの見通しを示した。
講演会には安房地域の自治体、医療関係者ら約100人が出席。講演を聞いた金丸謙一館山市長は「制度について調べてみる」と語った。
長氏は、日本の医療機関経営の現状について、「診療報酬制度だけでの医療は破たんしている」と自公政権での医療費削減策を批判。診療報酬の2割アップを掲げる民主党のマニフェストを評価した上で、地域で公的医療を担う民間病院の資金調達を容易にする制度も必要だと訴えた。
一方、民間に比べ給与レベルがはるかに高いなど、公立病院の改革はまだ不足しているとも指摘。公設民営化で自治体一般会計からの繰り出しゼロを実現した愛知県東栄町の成功例を紹介し「この辺で言えば鋸南、富山、隣に鴨川も(国保病院が)ありましたね。そういうところに、いったいいくら税金を投入しているんだということが問われなければいけない。今後は市民の目が厳しくなると思う」と述べた。
●長隆氏の講演要旨
公立、公的病院に対する国の財政支援措置について、県や自治体は必ずしも対応していない。国民に広く知らせ、国の方針に従った財政支援措置を(自治体に)行ってほしいと思い、館山で講演することにした。
公立病院の中には、人件費などの圧縮もせず、従来通りの税金繰り出しを受けている病院も多数みられる。東京都の東大和市周辺の場合、社会医療法人、公立、国立と3つの同規模の病院があるが、社会医療法人が税金投入なしでやっているのに対し、公立は年13億円、国立は4億円の税金が投入されている。
同じような医療をしているのに、こんな税金の使い方を今後も容認していくのか。同じ土俵の上でやらないと。
一方で、公立病院が果たすべき役割の一部を、民間病院が担っている地域も多い。総務省は、民間病院が行っている不採算医療に対して公的支援を行うという方向に舵を切った。自治体はこのような「公的病院」に財政支援してもらい、国はそれを特別交付税の措置の対象にする。
総務省のホームページに、モデルの積算例が書いてある。こういう形で館山市は公的病院に財政支援すべきではないか。 自公政権で毎年医療費を減らし、ひどい状況を招いたことが今回の選挙の結果だ。診療報酬制度だけでの医療は破たんしている。財務省もそれを認めていると私は理解している。国民の命を守るという点で、民主党のマニフェストは評価する。診療報酬20%アップを批判する人には、実際に地方の現場を見てみろと言いたい。
地域の医療、特に遠隔地の医療に貢献している公的病院には、資本的な助成も必要。融資制度の拡大などだ。公立病院と民間病院の条件の格差がありすぎる。
油断すると、公的病院もバタバタ破たんしていく。特に農協が経営している厚生連が多い。一度破たんすると再生は難しい。銚子の例を見ても明らか。予防措置をとらないと町から病院が消えていくことになる。
富山県氷見市の市民病院は、金沢医大の付属病院となる道を選んだ。これはいい例。市の病院の時に比べ、補助金の額は減った。移転新築計画もある。200床を50億円でつくる。市と大学と折半。交付税措置は年2億6000万円で、ほぼ黒字になると言う。
愛知県東栄町では町の国保病院に指定管理者制度を導入し、公設民営に。過疎地だが、平成19年度には税金の繰り出しなしで経営できるようになった。この辺でいえば鋸南、富山、隣に鴨川も(国保病院が)ありましたね。そういうところに、いったいいくら税金を投入しているんだということが問われなければいけないと考える。今後は市民の目が厳しくなると思う。
安房医師会病院は民間移譲した。設立の時は館山市などが多額の資金を出して立派な病院をつくっていただいたが、今までと違ってさらに需要が多くなる中、支援が必要。国からも相当の交付税措置が出るようになった。市にカネを出せといっているのではない。十分システムを研究し、市の行政はそのお金を(総務省から)持ってきてほしい。2億円から3億円、そのくらいのカネは、ほかの市なら出ている。




・安房文化遺産フォーラム受賞祝賀会のお知らせ
・知恵袋講座
・愛沢綾子回顧展
・里見の道ウォーキング
・ウミホタル合唱団安房
・Report①韓国ソウル・仁川にて、平和講演とまちづくり交流
・Report②鳥取倉吉にて、里見氏調査の報告会
・Report③第5回安房・平和のための美術展でウガンダ支援
■詳細は下段のPDFファイルをご参照ください。



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