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朝日新聞2010.1.22付

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■松戸市在住の木版画家・秋山さん、

戦争体験語る

落下傘部隊・捕虜生活・絵との出会い…

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種田山頭火の俳句などを題材に創作を行う松戸市在住の木版画家秋山巌さん(88)が23日、旧海軍の落下傘部隊の一員として過ごした館山市で戦争体験などを語る。「死んだ仲間に申し訳ない」と、これまで家族などにも話さなかったが、時がたち、「戦友たちがどんな風に戦い、死んでいったかを伝えることの大切さに気づいた」という。

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大分県出身の秋山さんは1941年、館山で落下傘部隊の降下兵として3カ月間の訓練を受けた。太平洋戦争の開戦直後、部隊は当時オランダの支配下にあったティモール島クパン(現インドネシア)に落下傘で降下し、油田地帯を確保する作戦に参加した。米軍に制空権を奪われてからは落下傘部隊の出番はなくなり、多くの地上戦に参加。ラバウルで終戦を迎えた。

その後、オーストラリア軍が管理していた収容所に収容された。そこで、飢えとマラリア、赤痢などで多くの戦友が倒れ、死んだ。

苦境のなかで、秋山さんを救ったのは絵の才能。オーストラリア軍の施設を建設するために駆り出された際、ペンキ塗りをさせられた秋山さんが、思いつきで壁に富士山の絵を描いたところ、将校に喜ばれた。以来、似顔絵なども頼まれるようになり、お礼にもらった食料で飢えをしのいだという。

46年2月に帰国してから、しばらく荒れた生活を送ったが、棟方志功との出会いが転機になり、門下生として技法を学んだ。作風づくりのための旅の途中、山頭火の俳句を知った。

秋山さんの話を聞く会(NPO法人安房文化遺産フォーラムなど主催)は同日午後7時から、館山市の県南総文化ホール小ホールで。入場料500円。問い合わせは(0470・22・8271)の同フォーラムへ。25日まで同市の大巌院ギャラリーで、作品展も開かれている。

10年1月22日 4,989

特定非営利活動法人(NPO) 安房文化遺産フォーラム

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