『ちば~教育と文化』誌
「『ちば』と歩んだ私の半生と近況」(愛沢伸雄)
No.96(2020.12.25)
36年にわたり、千葉県の教育と文化に寄与された貢献に敬意を申し上げます。貴誌発刊の5年後より、私は安房地域の戦争遺跡を教材化するための調査研究を始め、その7年後から里見氏稲村城跡を保存する会を発足しました。
戦争遺跡は15年を経て館山海軍航空隊赤山地下壕跡が整備・公開され、館山市指定史跡となりました。稲村城跡は17年の市民運動の末、里見氏稲村城跡群として南房総市の岡本城跡とともに国指定史跡となりました。さらに、青木繁が滞在し『海の幸』誕生の家となった小谷家住宅(館山市指定有形文化財)、小高記念館(国登録文化財)、小原家住宅(国登録文化財)など、私たちの活動を通じて、多くの文化遺産の価値が認められるようになりました。
この間、NPO法人安房文化遺産フォーラムを設立し、有形無形の多様な文化遺産を「館山まるごと博物館」ととらえ、市民が主役のまちづくり活動を進めてきました。『ちば-教育と文化』誌は、市民が声を上げる発表の場として提供され、私たちの活動は支えられてきました。改めて感謝申し上げます。
さて、私ごとですが、昨夏、心筋梗塞を起こし死線をさまよい、冠動脈バイパス手術で命が救われました。その後、頸椎後縦靱帯骨化症という難病が発覚し、今夏には首の手術をしました。現在は自宅療養をしながら、無理のない範囲で調査研究を続けています。
昨年の台風災害に続き、新型コロナウィルス感染症のパンデミックのため、NPOの運営は大変厳しくなっています。闘病中の私の分まで、次世代の専従メンバー2名ががんばってくれています。本誌を通じて繋がったご縁の皆様も、ぜひ館山のスタディツアーを企画され、またNPO会員となってご支援いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。