南房総の発展に寄与するNPOの活動に期待
「こころ豊かで平和な地域社会の創造・再生」を目指して、足もとの歴史・文化・先人の知恵等を掘り起こし、市民が主役となる地域おこしや、青少年の健全育成に寄与する」…なんと優しく遠大な目標であろう。
それがしっかりと地域の人々の間に根付き、実践されている有様を目の当たりにした。私達千葉退職教職員の会は、200余名の人達をたてやま夕日海岸ホテルにお迎えした。「全国退職教職員関東ブロック学習交流集会」である。
1日目、愛沢先生の講演は、生徒の授業を潰さないように午後4時頃からに変更した。前半、池田さんが繋いで下さったが、急いで駆けつけた愛沢先生は汗をぬぐう暇もなく、熱のこもった口調で話され、聞き入る人々を感動の渦に巻き込んだ。真に郷土を愛し、平和への願いを地元館山から世界へ発信したいという想いが体中に溢れていた。1時間足らずの講演は皆に惜しまれ、「もっと聞きたい」の声が頻りだった。
そしてまた2日目、戦跡巡りではNPOの方々の活躍が素晴らしかった。先ず驚いたのが、綿密なスケジュールである。7台のバスに分乗した人々を実に効率的にスムーズに安全に配慮しながら見学させてくださったのである。加えて、ガイドさんたちの懇切丁寧な説明、職業訓練校の生徒さんたちの迅速な行動、オプショナルツアーの途中下車の人への適切な処置など、皆さんがNPO活動の趣旨をよく理解し、咀嚼し、体で実践している感じだった。しかも生き生きと楽しそうに—。館山の町のすべてを誇りに思い、生きている館山から平和を、そして地域おこしをアジアに、世界に発信しようという想いが、話しぶりや表情に滲み出ていた。皆、自信に満ちていた。
参加者からたくさんの感想が寄せられた。NPOの方々への感謝の言葉やら、館山に点在する戦争の「生き証人」を大切に保存して欲しいという願いやらである。
これほどまでに地域を巻き込んだ愛沢先生の偉大さもさることながら、その熱意に応えた町の人々や行政も素晴らしいと思う。アジア・世界に繋がる平和な町、南総・館山の発展の原動力となるNPOの未来を心から期待すると同時に、皆で支えていきたいと思う。本当にありがとうございました。感動の2日間でした。