亀田グループと鴨川市
「医療総合特区」を提案
政府の「新成長戦略」で
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今年6月に閣議決定した「新成長戦略」に基づき政府が創設を予定している「総合特区制度」をめぐり、亀田メディカルグループと鴨川市が、同市を対象地域とした「安房ライフ・イノベーション国際戦略総合特区」を内閣官房・地域活性化統合事務局に提案していることが28日までに明らかになった。首相官邸のウェブサイトに、提案内容が公開された。
「総合特区制度」は現在、政府内部で制度設計が進められている。内閣官房によると、今回の提案は規制・制度改革に向けたアイデアを広く求めるのが主眼で、今後の指定、認定などに直結するものではないという。
一方、政府は今年度末までに「特区制度」関連の法律、予算(内閣府の平成23年度概算要求823億円)の成立を図り、来年春にも正式な提案を募集する見通し。鴨川市の片桐有而市長は「亀田グループを支援し、総合特区指定を目指したい」と話している。
今回の提案は、鴨川を中心とする安房地域を医療・介護・健康分野での「戦略モデル地域」に指定し、雇用創出と医療関連産業育成の取り組みを拡充。その成果を全国に普及させるのが、政府の「新成長戦略」に合致するという内容。
具体的な事業としては①亀田医療大学(仮称)の設置による人材育成②亀田グループと大手製薬・医療機器メーカーの連携による、革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発促進③健康保険や診療・検診・年金など、社会保障制度の情報をネットワーク化するIT技術の実証実験実施④外国人患者、医師の受け入れなど医療の国際対応推進——-などを挙げている。
これらの実現に向け、提案では▽医療大学設立に向けた、国の20億円の財政支援▽鴨川市内全域を対象にした、光回線など高速・大容量の通信インフラ整備——などが必要だと指摘。また、自由診療の拡大、医師以外の医療スタッフによる医療行為の拡大、外国人看護師の活用などの規制緩和・特例措置が適用されるべきだと提言している。
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