戦争遺跡は、戦争の記憶をいきいきと物語る実物教材です。高校の教育実践に始まった市民による保存運動は10数年の末に実り、2004年、館山市では「地域まるごとオープンエアーミュージアム・館山歴史公園都市」構想のもと、赤山地下壕を整備・一般公開し、翌年には市指定史跡としました。全国的にも先駆的な事例として注目され、年間1万人を超える入壕者を迎えています。館山は沖縄・長崎・広島・松代と並ぶ平和学習の地となり、当NPOでは年間約200団体、述べ5,000人のスタディツアーをガイドしています。
劇中、香川京子さんが青年将校の形見を発見するクライマックスシーンとして、天井に龍が彫られた地下壕が登場します。これは撮影用セットではなく、実在するもので、壕内には「戦闘指揮所」「作戦室」という額も残っており、全国的にみても大変貴重な歴史遺産といえます。しかし、市史跡の赤山地下壕とは異なり、民間の婦人保護施設内にあるため一般公開しておらず、平和・人権研修の団体のみ見学許可を得てご案内しています。
館山湾に生息するウミホタルは、館山平和学習のもうひとつの主役です。戦時中の子どもたちは軍事労働として採取を命じられていました。ウミホタルを乾燥して粉末にし、濡らすとまた光るという特質を研究し、夜間戦に備えていたというのです。このエピソードとウミホタルの幻想的な輝きに心を動かされた音楽家により、合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』も誕生しています。
命の連鎖を象徴するエネルギッシュな「やわたんまち(八幡祭礼)」は、500年続く安房最大のお祭りで、毎年9月(敬老の日の前の土日)に開催されます。都会で暮らす館山出身者は、盆暮れに帰らなくても「やわたんまち」に帰ってくるという人も少なくありません。それくらいエネルギーあふれる祭りなのです。少女時代、八幡神社(鶴谷八幡宮)の隣に暮らしていたというせんぼん監督にとっても、大きな影響を受けたにちがいありません。
世代の異なる女性たちの人生が交差する古民家は茨城県阿見町にありますが、樹木希林さんが滞在する「離れ」は、館山市内の旧居をロケ地としています。本編さながらの母屋や蔵もあり、日本古来の懐かしく美しい生活を彷彿とさせてくれます。
半世紀以上変わらない六地蔵様。東京湾口部に位置する白亜の洲埼灯台と青い海。房州名物の強い西風。桟橋。漁港。オレンジ色に輝く夕日。。。スクリーンいっぱいに映し出されるのは、せんぼん監督を育んだ心象風景そのものです。せんぼん監督が発信したメッセージを伝える歴史的環境を訪ねてみませんか。
*10名以上の団体、マイクロバスでおいでください。
*ガイド料:1人1,500円(昼食代は別)
*所要時間:4時間〜6時間
*お申し込みは電話等で日程・行程を打合せの後、下記「ツアーガイド依頼書」をご提出ください。