タイトル: | 【東京】151122*文化財答申、小高記念館は有形文化財 |
掲載日時: | %2015年%11月%22日(%AM) %09時%Nov分 |
アドレス: | http://bunka-isan.awa.jp/News/item.php?iid=1025 |
(東京新聞2015.11.22付)‥⇒印刷用PDF
国の文化財審議会による投信で、県内では屏風(びょうぶ)ケ浦(銚子市)が国の名称及び天然記念物に指定される見通しとなった。大正期に銀行として建てられ、昭和初期に館山港近くに移築された「小高(おだか)記念館」(館山市)は有形文化財(建造物)の登録が答申された。
屏風ケ浦は太平洋に面して、約10キロにわたって下総台地が削られてできた海食崖(かいしょくがい)で、最大落差は約60メートル。1億年以上前の硬い岩盤を基盤として、約300万年〜40万年前に海底に堆積した犬吠層群と、その上に堆積した香取層や関東ローム層から成る。急激な風化と浸食を受けて形成された地形が見られ、地質学上価値が高いとされた。
江戸末期の歌川広重の「六十余州名所図会」に描かれるなど、江戸時代から現在まで絵や文学で取り上げられ、名勝としても価値が高い。
小高記念館は洋風の外観で木造二階建て。現在は地元のNPO法人安房文化遺産フォーラムの事務所となっている。
市やフォーラムによると、建物は1930(昭和5)年ごろ、現在の場所に移築され、戦前に県議会議員、戦後は衆議院議員を務めた小高熹郎(としろう)氏が事務所などとして使用した。
小高氏の死去後、90年代半ばから一時閉鎖。地域の文化振興にも尽力した小高氏の遺志を継ぐとして、フォーラムが2006年から活動拠点にしてきた。代表の愛沢伸雄さん(64)は「大変光栄。私たちの文化財保存活動にも弾みがつく」と登録の答申を喜んだ。
(村上一樹、北浜修)