タイトル: | 【房日】151021*監督トークに感慨深く(母親大会) |
掲載日時: | %2015年%10月%21日(%PM) %15時%Oct分 |
アドレス: | http://bunka-isan.awa.jp/News/item.php?iid=1016 |
(房日新聞2015.10.21付)‥⇒印刷用PDF
平和について考える「第21回安房地域母親大会」(同会実行委員会主催)が10、11日、館山市コミュニティセンター第1集会室であった。ドキュメンタリー映画の上映と監督のトークのほか、パネル展示やワークショップ、疎開体験者の話などもあり、多くの人が訪れ、それぞれの思いを深めていた。
大会スローガンは「女性と子どもの目から安房での戦争を見つめよう!」両日とも午後には、金高謙二監督の太平洋戦争末期を舞台にしたドキュメンタリー映画「疎開した40万冊の図書」の上映、その後には金高監督のトークもあった。
映画は、生きることが精いっぱいだった戦時下で、蔵書の疎開を決断した東京都立日比谷図書館の中田邦増館長や、危険な目に遭いながらも奥多摩などに本を運んだ高校生、疎開先で土偶を提供した村人らを描いた作品。この疎開で、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」をはじめ40万冊の本が守られた。東日本大震災で被災した図書館の復興も描かれ、文化を守る大切さを訴える内容になっている。
初日の10日には、会場を埋め尽くす人数で初回の上映会。上映後、金高監督は「インタビューが100%真実とは限らない。人によっていろいろな意見や解釈もある」などと、ドキュメンタリー映画製作のむずかしさに触れながら、図書館は人を育て、考えを豊かにする場所。今は民間業者の介入など大きく転換している時期だが、いろんな本を読み、判断する自由がある場にすることが必要」「自分たちが住んでいるところの文化財を守っていくことが大事」などと思いを語った。
見た人からは「人の疎開は耳にするが、本の疎開は初めて聞いた。文化を残すために命を懸けて本を守った人がいたことを知りました」などの感想が聞かれた。
安房地域の戦争中の資料を並べたパネル展示では、今年から鴨川市内の資料も追加。来場者は、初めて4市町そろった資料を見て、平和について思いを巡らせていた。