タイトル: | 2011年度の事業 |
掲載日時: | %2011年%11月%09日(%AM) %09時%Nov分 |
アドレス: | http://bunka-isan.awa.jp/About/item.php?iid=552 |
2011年度 事業計画
(a)保存運動の「第5段階」の最終場面をむかえ
今後、「保存する会」の方向を決定する。
(「保存する会」の目的をふまえ、「国指定史跡」答申後に決定する)
1996年4月に保存運動が始まって以来、16年目に入って大きな転機をむかえ、国指定史跡答申にむかう最終段階になった。この間、行政機関や文化関係団体、NPOなど幅広く協力関係をつくり、歴史的風土と文化財を活かした『まちづくり』を通じて、里見氏城郭群の国指定史跡化の方向性をさぐってきた。
2005年3月、関係者の努力によって市道8042線問題も解決され、翌年1月に館山市長から地元関係者・地権者への説明会をスタートに国指定史跡化にむけての取り組みがおこなわれ、教育委員会のもとで調査検討委員会が設置された。そして2008年と2010年に『報告書Ⅰ・Ⅱ』が作成されるとともに、引き続き共有地管理組合脇田安保氏を中心に市教育委員会は、共有地関係の所有者確認調査がおこない、地元地権者の同意を得ていくという困難な作業に取り組んできた。そのご努力に敬意を表したい。(国庫補助2ヵ年事業:2006年度に館山市稲村城跡調査検討委員会設置され、2008年3月『報告書』が作成されたものの再検討となり、2009年度に再度、調査検討委員会が設置され、新体制で『報告書Ⅱ』を作成した)
本年(2011年)7月末に国指定史跡にむかう第一歩が踏み出された。こ
の件に関して、先の9月館山市議会定例会において、龍崎滋議員から質問があり、石井教育長より、次のような答弁がなされた。
1.地権者の合意をいただいた区域について、平成23年7月下旬、
文部科学大臣宛てに「国史跡指定」意見具申書を提出したとこ
ろです。
2.国史跡に指定された場合、地元の意見を尊重したうえで、保存
整備検討委員会を立ち上げ計画的な保存と整備をおこない、観
光資源としての活用も図りながら、地域振興にむすびつけてい
きたいと考えています。
この教育長の答弁に対して、その後龍崎議員から「この史跡指定の決定については、市民が大きな期待をいだくのは当然であります。今日まで保存運動に邁進されてきた方々をはじめとして、地元地域・地権者、さらに南総里見氏を今また館山の歴史文化として、大きく蘇らせようと努力されている方々が多数おられわけであります。このこのことは、歴史的な取り組みを実現するならば、市への文化的経済的な波及効果が計り知れないことを物語っているのではないかと思います。」との見解を述べ、次のような再質問をおこなっている。
1.基本的な稲村城跡の意義の件
2.公的資金投入の件
3.里見氏のNHK大河ドラマ化の動きに市はどうに関わっているか。
4.地元周辺地域の振興策や活性化策の件
ところで里見氏城郭群の「国指定史跡」をめざす運動のなかでは、広域の自治体行政や安房地域の活性化につながるように位置づけ、全国の「国指定」史跡化の方法やプロセスを学びながら、活用化については実際に現地を見学してきた。
また、まちづくりでは、2004年以降NPO法人安房文化遺産フォーラム」(代表 愛沢伸雄)と連携しながら、行政や他の市民団体と協働して、市民参加による地域の活性化の市民活動に関わってきた。
2009年6月14日に、地元稲地区町内会において「稲村城跡利活用委員会」が創設され、稲村城跡の利活用を円滑に図るための地域からの声をまとめていく機関がつくられた。地域から「国指定史跡」への史跡化・整備事業にむけての動きは、大変重要なことで関係者のご努力に敬意を表したい。今後、地元地域の人々を核にして、まちづくりの視点から市民の声を聞きながら、保存整備事業が推進されていくことを望んでいる。
そこで本年度、16年間継続してきた「保存する会」の活動について検討し、その方向を決定する。とりあえず来年3月、国の文化財審議会から房総里見氏城郭群「稲村城跡・岡本城跡」を国指定史跡とする答申がなされると期待して、その結果を確認してから、3月31日に「臨時総会」を開催し方針を決定する。来年度の総会は「保存する会」の節目にしたい。
「国指定」に対して、広域自治体間での連携・協力をとり、各自治体の文化行政との兼ね合いを考えながら、会の活動への理解と協力を得る。なかでも地権者や館山市稲地区の方々に、稲村城跡「史跡化」の取り組みが、安房地域全体の里見氏城郭群の「国指定」への重要なステップになっていくということ、そして里見氏の歴史・文化が文化遺産として、末永く地域に根ざしていく契機になっていくことへの理解を得ることに努めてきた。
このことでは、稲地区の町内会において活動されている「稲村城跡利活用委員会」が核になって、地元の人びとが広く参画し、行政当局をはじめ、館山市民が一体となって、息の長い史跡化と整備事業にすすんでいくように、地域から呼びかけられることを願っている。
また、文化財を活かしたまちづくり・地域振興プランづくりがなされるように、「NPOフォーラム」の取り組みと連動しながら、稲村城跡「国指定」にすることで、地域振興の面でも大きな意義があることを伝え、文化財関係団体や商工・観光関係者の理解や協力を得る。
さまざまな分野に呼びかけをし「国指定」史跡化への理解を広げていくために、本会独自に他地域にある「国指定」城跡を視察し、史跡化のプロセスや「国指定」のプランなどを調査研究していく。
第1回「本佐倉城跡と佐倉城跡を訪ねる」(千葉県)2003年12月 5日(金)
第2回「興国寺城跡と長浜城跡を訪ねる」(静岡県)2004年12月11日(土)
第3回「鉢形城跡を訪ねる」 (埼玉県)2005年12月10日(土)
第4回「八王子城跡・滝山城跡を訪ねる」(東京都)2006年12月10日(日)
第5回「鷲城跡・祇園城跡を訪ねる」 (栃木県)2007年12月 9日(日)
第6回「山中城跡と興国寺城跡を訪ねる」(静岡県)2008年11月29日(日)
第7回「小田城跡と真壁城跡を訪ねる」 (茨城県)2009年11月29日(土)
第8回「飛山城跡と勝山城跡を訪ねる」 (茨城県)2010年11月27日(土)