タイトル: | 2009年度の事業 |
掲載日時: | %2009年%07月%31日(%AM) %00時%Jul分 |
アドレス: | http://bunka-isan.awa.jp/About/item.php?iid=447 |
★≪2008年度の経緯と事業報告≫
1996年4月に保存運動が始まって以来、14年目に入って大きな転機をむかえている。この間、地域の行政機関や文化関係団体、NPOなど幅広く協力関係をつくり、歴史的風土と文化財を活かした『地域づくり』を通じて、里見氏城郭群の国指定史跡化の方向性をさぐってきた。
2005年3月、関係者の努力によって市道8042線問題も解決され、現在、地権者や地元の理解を得ながら、稲村城跡の史跡化にむけて、行政による調査検討がすすめられている。(2カ年事業:2006年度に館山市稲村城跡調査検討委員会設置され、2008年3月『報告書』を文化庁に提出するものの再提出となった。2009年度再度委員会を設置し、新体制で『報告書』を作成する。)
「里見氏城郭群の国指定」史跡をめざす運動は、広域の自治体行政や安房地域の活性化につながるように位置づけ、自治体単位での史跡指定・史跡公園などの整備にむけての情報を提供する。その際、全国の「国指定」史跡化の方法を学びながら、この地域での史跡化のプロセスや「国指定」のプランなどを地元・地権者や自治体当局・教育委員会に提案していく。
なお、2004年5月26日に法人認証を受けた「NPO法人南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム」(2008年5月26日に「NPO法人安房文化遺産フォーラム」と改称 代表 愛沢 伸雄)と連携・協働しながら、行政関係とともに市民による「地域づくり」や「地域の活性化」の動きを視野にいれた保存運動を展開していく。
2009年6月14日に、地元稲地区町内会において「稲村城跡利活用委員会」が創設され、稲村城跡の利活用を円滑に図るための地域からの声をまとめていく機関がつくられた。地域から「国指定史跡」への史跡化・整備事業にむけての動きは、大変重要なことで関係者のご努力に敬意を表したい。
2008年
2月 9日 「里見の道ウォーキング」(31名参加)
3月26日 館山市稲村城跡調査検討委員会(第4回)開催
4月19日 館山市主催 JR「駅からハイキング」「南総里見八犬伝ハイキング」(309名参加)
8月31日 第13回「保存する会」総会(館山コミセン)
10月11日 講演会「里見忠義の終焉の地を訪ねて」〜「里見氏調査会」報告〜川名 登・佐藤博信・滝川恒昭・和気俊行各氏
10月12日 「里見ウォーキング」
11月22〜24日 里見八犬伝ワールドin館山 /23日 八犬伝ツアー(滝田城跡)
第2回戦国コスプレ大会
11月29日 「国指定」見学バスツアー(沼津市)第6回「山中城跡と興国寺城跡を訪ねる」
2009年 1月24日 里見紀行その7「館山城編」(講演:館山市博/現地見学)
3月 8日 「里見の道ウォーキング」“滝田城跡から稲村城跡へ”
6月14日 稲地区「稲村城跡利活用委員会」設立総会/文化財保存全国協議会より「第10回和島誠一賞」京都同志社大学での受賞式出席
6月27日 講演会「岡本城跡の発掘調査報告」(小高春雄氏)/第14回「保存する会」総会
★≪2009年度 事業計画≫
(a)引き続き保存運動の「第5段階」とする
1996年4月に保存運動が始まって以来、14年になった。この間、地域の行政 機関や文化関係団体、NPOなどと幅広く協力関係をつくり、歴史的風土と文化財を 活かした『地域づくり』を通じて、里見氏城郭群の国指定史跡化の方向性をさぐって きた。
2005年、関係者の努力によって市道8042号線問題も解決され、最終的な道 路建設が検討されている。稲村城跡の史跡化については、地権者や地元の理解を得ながら、行政による調査検討がすすめられている。その年の12月、天野努氏や滝川恒昭氏らとともに、本会の代表愛沢伸雄が館山市より「館山市稲村城跡調査検討委員会」の委員に委嘱され、2年間の調査検討が継続し、2008年3月に報告書が出された。
この報告書をベースに館山市においては、文化庁の指導もあり、引き続き「国指定」に向けての調査事業をすすめていくとした。昨年7月には館山市当局が地元・地権者の説明会を開催しているが、本年度に入り、再度「館山市稲村城跡調査検討委員会」の設置となり、館山市教育委員会生涯学習課では、新体制での調査検討事業が始まっている。
また、稲地区の町内会ではこの3年間検討されていた「稲村城跡利活用委員会」が6月14日に創設され、今後地元・地権者が利活用について話し合っていく機関が正式に誕生した。地域において里見氏の歴史・文化を活用したまちづくり事業が始まったことは、画期的な出来事といえる。私たちは地域の人びとの手によって、末永い稲村城跡の保存・活用を願い、稲地区の「稲村城跡利活用委員会」と協働・協力していきたいと思っている。
さらに、引き続き協働・協力の関係団体であるNPO法人安房文化遺産フォ-ラム(代表 愛沢伸雄・「NPOフォーラム」と略)と密接な連携を図って、行政関係とともに市民による「地域づくり」や「地域の活性化」を視野に、里見氏の歴史・文化活動を浸透させていきたいと思っている。
今後、この間の保存・史跡化の展開を検討しながら、本会がどのような立場での活動が可能なのかなどをさぐり、新しい段階の保存運動のあり方を検討していきたい。
(a)「国指定」に対して、広域自治体間での連携・協力をとり、各自治体の文化行政との兼ね合いを考えながら、会の活動への理解と協力を得る。なかでも地権者や館山市稲地区の方々に、稲村城跡「史跡化」の取り組みが、安房地域全体の里見氏城郭群の「国指定」への重要なステップになっていくということ、そして里見氏の歴史・文化が文化遺産として、末永く地域に根ざしていく契機になっていくことへの理解を得ることに努めてきた。
このことでは、稲地区の町内会において、この3年間、共有地代表でもある脇田安保氏らによって地域からの声をまとめる組織が検討されてきたと聞く。この結果、本年6月14日に「稲村城跡利活用委員会」(脇田安保委員長)が創設されたことに対して、関係各位のご努力に深く敬意を表し、今後、行政当局とともにすすめられる息の長い史跡化と整備事業に、地域から貢献されることを願っている。
2009年に入って行政当局はもちろん稲地区の「稲村城跡利活用委員会」をはじめとする地域の人びとや私たち市民たちの手によって里見氏稲村城跡を活用したまちづくり事業の第一歩が踏み出された。地域の振興の機会として、また後世にむけて子どもたちに希望や夢を与える取り組みにしていくためにも、どのような協働・協力の関係であれば良いかを検討していきたいと思っている。
そのために本会の役割と立場について、今後の活動や取り組みのあり方をどうしていくか、検討していきたいと思っている。
(b)里見氏関係文化財の活用の点では、「NPOフォーラム」と連携・協働
体制を図りながら「あわ・がいど-里見ガイド」を養成し、稲村城跡をはじめとする里見氏文化財をめぐるガイド・コースを設定し、地域の文化遺産を活用した具体的な地域の活性化の動きをつくっていきたい。
(c)「国指定」にむけて、各地元・地権者への働きかけをおこなうが、里見氏城跡群に関わる市民団体や地域の歴史文化団体に呼びかけて、情報を交換し共同で取り組むネットワーク(仮)が結成されるよう、「NPOフォーラム」と連携・協働しながら働きかけていくことを展望する。
(d) 文化財を活かした「まちづくり」・地域振興プランづくりがなされるように、 「NPOフォーラム」の取り組みと連動しながら、稲村城跡「国指定」にすることで、地域振興の面でも大きな意義があることを伝え、文化財関係団体や商工・観光関係者の理解や協力を得る。
(e) さまざまな分野に呼びかけをし、「国指定」史跡化への理解を広げていくために、本会独自に他地域にある「国指定」城跡を視察し、史跡化のプロセスや「国指定」のプランなどを調査研究する。